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国内テニス

【伊達公子】週末に多くの試合が行なわれる「ジャパンオープン」のスケジュールをプラスに考えよう!<SMASH>

伊達公子

2024.09.20

「ジャパンオープンは楽しいというものを確立していかなくてはいけません」と言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

「ジャパンオープンは楽しいというものを確立していかなくてはいけません」と言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

 日本で開催される男子テニスの国際大会「ジャパンオープン」が9月25日の水曜日から始まります。水曜日スタートで、決勝が火曜日という異例のスケジュールです。オリンピックイヤーでもありますし、様々な要素が重なった結果だと思いますが、準決勝、決勝が平日で満席になるのかが危惧されます。

 シングルス決勝は16時30分スタートという微妙な時間ですが、せめてナイトマッチにできれば見に来られる人も増えたでしょう。ただ、ナイトマッチにすると、早く帰りたい選手からはクレームが来そうですし、撤収のことなども考慮すると、決断できなかったのかもしれません。

 このスケジュールは考え方を変えればプラスの面もあります。最も観客が入りそうな土曜日が2回戦で、日曜日が準々決勝というスケジュールなので、週末に多くの試合が行なわれます。日本では男子のATPツアーが年に1大会しかないこともあり、トップ選手の試合を見るのが好きな人が多いです。しかし、外のコートでも多くの熱戦が繰り広げられているので、そういう試合を見るチャンスです。

 私はトップ選手が大会序盤で圧勝する試合を見るよりも、どちらが勝つのかわからない拮抗した試合を見る方が好きです。もつれた時に、どういうことをするのか、何が起こるのか、試合の流れを見るのが面白いんです。オーダーオブプレー(試合進行表)を見て、接戦になりそうな試合を探して行く、あえて知らない選手の試合に行ってみるのもお薦めです。大会を観戦する面白みが増すでしょう。
 
 今年は主催者推薦で久々に錦織圭選手が出場するし、ツアータイトルを獲得してランキングを戻している西岡良仁選手にも注目です。活気のあるジャパンオープンになると期待をしている人は多いでしょう。

 錦織選手が出場することで、彼が大会の中心になるのは仕方ありませんが、それ以外の部分でもテニス観戦の面白さを認知させていく必要があります。出場選手に関係なく、ジャパンオープンは楽しいというものを確立していかなくてはいけません。

 前述したように今年は観戦の醍醐味を探してみてください。与えられるのを待つだけではなく、自分から見つけ出すということをしなくては、見るスポーツとしての日本のテニスの状況は変わりません。

 これまでにも大会側が色々と方針を変えたりしてきています。大会側とは別に、行く人それぞれが自分なりの楽しみ方を見出していくことで、意外な発見や気付きのある楽しみ方が生まれるかもしれないですね。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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