四大大会に次ぐグレードとなるマスターズ1000シリーズの日程拡大や大会数の増加などにより、年々ツアースケジュールが過酷になっている男子テニス界。先の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)で四大大会初のベスト4入りを果たした22歳のジャック・ドレイパー(イギリス/世界ランキング20位)は、フィジカル面への負担が大きすぎる現状を踏まえ、自身と同世代の選手たちの行く末を心配している。
先週行なわれた男子国別対抗戦「デビスカップ・ファイナルズ・グループステージ」(9月10日~15日/インドアハード)にイギリス代表として出場したドレイパーは、大会後に応じた母国の公共放送『BBC』の取材でツアーカレンダーに大会が詰め込まれすぎていることに対し、「最近のスケジュールはおかしい」と痛烈に批判。さらにこう続けた。
「他の多くの選手は、自分の立場なら、今週デビスカップをプレーするためにここに来ることはなかっただろう。我々は本当に複雑なスケジュールを強いられていて、休む時間はなく、ゲームのどの課題にも取り組む時間もない。義務的な大会が多すぎて、何もする余裕もないまま転戦しなければならない」
「今日、テニス選手であることは、精神的にも本当にチャレンジング(難しい)なことだ。フィジカル面でも準備や回復の時間がないまま、サーフェスが変わったりもするから、競技のことを常に考えていなければならない。多くの人は『他の時代の選手も同じようなスケジュールだった』と言うかもしれないが、今は(以前と違って)マスターズ1000でも大会期間が2週間になり、事態はさらに難しくなっている」
その上でドレイパーは過酷なスケジュールが今後も続くようであれば、自身と同世代の若い選手が長く現役を続けることは難しくなるのではないかと主張する。「マイアミ・オープン(アメリカ・マイアミ/ハード/ATP1000)以来、何か(他のこと)をする時間は全くなかったし、休むこともトレーニングすることもできずに何週間も試合に出続けてきた。正直に言って、(若手選手たちが)今日の多くのベテランのように長いキャリアを築くことはできないと思う」と締めくくった。
ちなみにドレイパーの発言内容は男子ツアーに限ったことではない。女子でも同様の事態が発生しており、以前には現世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド/23歳)も「シーズン中に開催される大会が多すぎる」とスケジュールの改善を求めていたほどだ。
確かに男女ともに最近のツアーの動向を見ていると、商業的側面が重視されすぎていて、「選手の健康あっての大会」という概念が大きく薄れているような印象を受ける。多くの選手から過密日程に対する非難の声が上がっていることを、テニス団体は真剣に受け止めるべきではないだろうか。
文●中村光佑
【画像】全米オープン2024で熱戦を繰り広げたドレイパーら男子選手の厳選写真!
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「他の多くの選手は、自分の立場なら、今週デビスカップをプレーするためにここに来ることはなかっただろう。我々は本当に複雑なスケジュールを強いられていて、休む時間はなく、ゲームのどの課題にも取り組む時間もない。義務的な大会が多すぎて、何もする余裕もないまま転戦しなければならない」
「今日、テニス選手であることは、精神的にも本当にチャレンジング(難しい)なことだ。フィジカル面でも準備や回復の時間がないまま、サーフェスが変わったりもするから、競技のことを常に考えていなければならない。多くの人は『他の時代の選手も同じようなスケジュールだった』と言うかもしれないが、今は(以前と違って)マスターズ1000でも大会期間が2週間になり、事態はさらに難しくなっている」
その上でドレイパーは過酷なスケジュールが今後も続くようであれば、自身と同世代の若い選手が長く現役を続けることは難しくなるのではないかと主張する。「マイアミ・オープン(アメリカ・マイアミ/ハード/ATP1000)以来、何か(他のこと)をする時間は全くなかったし、休むこともトレーニングすることもできずに何週間も試合に出続けてきた。正直に言って、(若手選手たちが)今日の多くのベテランのように長いキャリアを築くことはできないと思う」と締めくくった。
ちなみにドレイパーの発言内容は男子ツアーに限ったことではない。女子でも同様の事態が発生しており、以前には現世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド/23歳)も「シーズン中に開催される大会が多すぎる」とスケジュールの改善を求めていたほどだ。
確かに男女ともに最近のツアーの動向を見ていると、商業的側面が重視されすぎていて、「選手の健康あっての大会」という概念が大きく薄れているような印象を受ける。多くの選手から過密日程に対する非難の声が上がっていることを、テニス団体は真剣に受け止めるべきではないだろうか。
文●中村光佑
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