先日行なわれた男子テニス団体戦「レーバー・カップ」(9月20日~22日/ドイツ・ベルリン/ハードコート)で、チームヨーロッパ(欧州選抜)の3年ぶり5度目の優勝に貢献した世界ランク3位のカルロス・アルカラス(スペイン)が、大会期間中のインタビューで近年の過酷なツアースケジュールに苦言を呈している。
今季は四大大会での2度の優勝(全仏オープンとウインブルドン)を含むツアー3勝を挙げているアルカラス。通算タイトル数は15を数え、まだ21歳にして数々の輝かしい功績を手中に収めている。しかしそんな彼でさえも過密なツアースケジュールが原因でモチベーションが大きく低下してしまうことがあるようだ。
「(過密日程をこなすのは)正直言って難しい。全くやる気が出ない時もある。(日程の点では)困難な時期に直面しているね。何度も言うが、スケジュールはとてもタイトで、トーナメントがたくさんあり、休みが全くない、もしくは望むほど多くないという状況だ。
練習しなければならなかったり、旅行しなければならなかったり、世界中を飛び回る時の時差ぼけなどで、時にはどうしても自分のための休みを取りたいと思うことがある。トーナメントに行きたくないと思うこともあり、それを隠すつもりはない」
四大大会に次ぐグレードとなるマスターズ1000シリーズの日程拡大や大会数増加の影響もあり、今後も選手たちの願いとは逆行する形で、スケジュールがよりタイトになっていくのではないかとアルカラスは懸念する。少々呆れた様子も見せながら、自身の考えを次のように続けた。
「多くの選手が、年間を通じて非常に厳しい、たくさんの大会があると言っている。それは僕も同じ考えだが、特に義務的な大会が多すぎると思う。そしておそらく今後数年間もより多くの(義務的な)大会が出てくるだろう。彼ら(テニス団体)は何らかの方法で僕らを殺すつもりなのだろうね(笑)」
「今は大会ごとのボールの変化や過密日程、その他多くの理由で、選手たちのケガが増えている。おそらくいつかは、多くの優秀な選手たちが、自分の身体のことを考え、愛する人を大切にしなければならない時が来るだろうから、多くの大会を欠場することになるだろう。彼ら(各選手)には家族がいて、テニス以外にも人生でやるべきことがたくさんある。そういうことにも気を配らなくてはならない。だから、負担が大きくなりすぎていると思う」
アルカラスのような若い選手からこういった声が上がったことは、"選手の健康あってのツアー"の実現に向け、大きな意味をもたらすかもしれない。テニス団体は真剣に受け止めるべきではないだろうか。
文●中村光佑
【画像】全米オープン2024でアルカラスはじめ熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真!
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今季は四大大会での2度の優勝(全仏オープンとウインブルドン)を含むツアー3勝を挙げているアルカラス。通算タイトル数は15を数え、まだ21歳にして数々の輝かしい功績を手中に収めている。しかしそんな彼でさえも過密なツアースケジュールが原因でモチベーションが大きく低下してしまうことがあるようだ。
「(過密日程をこなすのは)正直言って難しい。全くやる気が出ない時もある。(日程の点では)困難な時期に直面しているね。何度も言うが、スケジュールはとてもタイトで、トーナメントがたくさんあり、休みが全くない、もしくは望むほど多くないという状況だ。
練習しなければならなかったり、旅行しなければならなかったり、世界中を飛び回る時の時差ぼけなどで、時にはどうしても自分のための休みを取りたいと思うことがある。トーナメントに行きたくないと思うこともあり、それを隠すつもりはない」
四大大会に次ぐグレードとなるマスターズ1000シリーズの日程拡大や大会数増加の影響もあり、今後も選手たちの願いとは逆行する形で、スケジュールがよりタイトになっていくのではないかとアルカラスは懸念する。少々呆れた様子も見せながら、自身の考えを次のように続けた。
「多くの選手が、年間を通じて非常に厳しい、たくさんの大会があると言っている。それは僕も同じ考えだが、特に義務的な大会が多すぎると思う。そしておそらく今後数年間もより多くの(義務的な)大会が出てくるだろう。彼ら(テニス団体)は何らかの方法で僕らを殺すつもりなのだろうね(笑)」
「今は大会ごとのボールの変化や過密日程、その他多くの理由で、選手たちのケガが増えている。おそらくいつかは、多くの優秀な選手たちが、自分の身体のことを考え、愛する人を大切にしなければならない時が来るだろうから、多くの大会を欠場することになるだろう。彼ら(各選手)には家族がいて、テニス以外にも人生でやるべきことがたくさんある。そういうことにも気を配らなくてはならない。だから、負担が大きくなりすぎていると思う」
アルカラスのような若い選手からこういった声が上がったことは、"選手の健康あってのツアー"の実現に向け、大きな意味をもたらすかもしれない。テニス団体は真剣に受け止めるべきではないだろうか。
文●中村光佑
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