大学日本一を決める団体戦「男子第78回／女子第60回 全日本大学対抗テニス王座決定試合」は11月４日、東京・有明テニスの森公園で男女決勝と３位決定戦が行なわれた。ダブルス２本＋シングルス３本の計５本で争われる女子は、第２シードの筑波大学と第３シードの関西大学が決勝で対戦。筑波大が３勝２敗で勝利し、２年連続３回目の優勝を飾った。

　男子同様、女子も試合の流れを決めたのはダブルスだった。関大の山本哲弘統括コーチは「ダブルス２本を落としたのは誤算だった。２つ取りたかった」と唇を噛んだ。

　筑波大には故障明けだが2023年インカレ女王の吉本菜月が、関大には今年の覇者である山口花音がいる。正直２人のエース対決は結果が読めず、両校ともその前に３勝を挙げたかったはずだ。

　そのために重要なダブルスを筑波大は２試合ともモノにした。D1は毛呂彩音／吉本がストレートで快勝。最後までもつれたのはD2だ。筑波大の西尾萌々子／吉田琴美が第１セットを先取し、第２セットも4-1とリードして勝利目前。しかしそこから勝ちを意識したのか動きが硬くなり、関大の４年生ペア、中西夢乃／中川桃に怒涛の５ゲーム連取を許して第２セットを落とす。
  　流れは関大にあった。ところがそこから再び筑波大ペアが持ち直し、攻守ともに安定感を増す。そしてマッチタイブレーク11-9の大激戦を制し、チームに２勝目をもたらしたのだ。「あれを取るか落とすかでは全然違う。苦しんで取れたぶん大きかった」と筑波大の三橋大輔監督は大いに手応えを得た。

　ただ関大はこれで意気消沈することなく、むしろ奮い立ってきた。山本コーチいわく「D2の４年生の最後の頑張りを見て、シングルスのメンバーがやってやると奮起した」ことで、関大は同時に始まったS3高山揺、S2田中伶奈とも果敢に攻めて第１セットを先取。この２試合を取れば星はイーブンだ。

　対する筑波大も引かない。第２セットはS3毛呂、S2櫻田しずかが粘りを見せて奪取。２試合ともファイナルセットにもつれ込み、これぞ王座という白熱の攻防が１ポイントごとに繰り広げられる。そしてついに櫻田が第３セットを奪い逆転勝ち。この瞬間に筑波大の２連覇が決まった。