プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は高校に行かずにプロの道に進み、現在200位台まで世界ランクをジャンプアップさせている山口芽生選手の2回目。得意とするフォアのカウンターのポイントを教えてくれた。
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基本的にフォアは全部打っていくスタイルなので、ランニングのカウンターは自分の強みです。相手に振られた時もただ返すのではなくて、なるべく切り返そうと思っています。
最近ランニングショットで特に気を付けていることがあって、ボールだけを見るのではなく、周辺視野で相手がどこに立っているか、どっちへ動こうとしているかを見るようにしています。ボールも見ているけど、相手も見えている......そういう余裕のある状態で追いかけていけると、カウンターは決まりやすいですね。
走らされながらも強く打つポイントは、まずは準備を早くすること(写真1コマ目)。このショットは遅れたらどうにもなりません。
あとは「線と点」というのを私は気を付けています。まずテイクバックをセットした所に点があり(3コマ目)、次に打点にも点があって(5コマ目)、振り終わったあたりにも点がある(7コマ目)......それをつなぐと線になるじゃないですか。その「点」だけが強くなってしまうとガチッガチッと硬いフォアになるし、「線」だけだとフニャフニャしてしまう。それをいいバランスでつなげて、線も点もあるイメージでスイングするようにしています。
その3つの中でも、打点がちょっと強い感覚ですかね。インパクトでガッと力が入ると、強いボールが打てます。適度な脱力からそれなりに力が入った状態になり、全部がつながってきれいな線になるんです。
足のステップに関しても、1つ意識しているコツがあります。私は片足でボールに入るのではなく、両足をパッとセットするイメージを持っているんです。勢い良く走っていっても、最後に一瞬でいいから、両足でバランスを取る形を作る(4コマ目)。これは安定して結構いいですよ!
【プロフィール】山口芽生/やまぐちめい
1999年6月14日、東京都生まれ。159cm、右利き。高校に行かず国内のJTA大会、ジュニア大会を回って力を付け、17歳でプロ転向。攻撃的なストロークを武器に国内外を転戦し、2021年にポルトガルでITFツアー初優勝。今年の東レPPOでは予選を勝ち上がり初のWTAツアー本戦入り。浜松W35を制し、自己最高世界ランク295位、国内ランク12位まで上げている。所属:フリー。
構成●スマッシュ編集部
取材協力●SBCドリームテニスツアー
※『スマッシュ』2023年3月号より再編集
【連続写真】山口芽生のフォアハンドのランニングカウンター『30コマの超分解写真』
【関連記事】両手バックの強打を山口芽生が指南。フルスイングするよりもタイミングの早さを重視!【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
【関連記事】面を作ったら足で打ちにいく! 倉持美穂が決めのフォアボレーで意識しているポイント【プロが明かすテニス上達法】
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最近ランニングショットで特に気を付けていることがあって、ボールだけを見るのではなく、周辺視野で相手がどこに立っているか、どっちへ動こうとしているかを見るようにしています。ボールも見ているけど、相手も見えている......そういう余裕のある状態で追いかけていけると、カウンターは決まりやすいですね。
走らされながらも強く打つポイントは、まずは準備を早くすること(写真1コマ目)。このショットは遅れたらどうにもなりません。
あとは「線と点」というのを私は気を付けています。まずテイクバックをセットした所に点があり(3コマ目)、次に打点にも点があって(5コマ目)、振り終わったあたりにも点がある(7コマ目)......それをつなぐと線になるじゃないですか。その「点」だけが強くなってしまうとガチッガチッと硬いフォアになるし、「線」だけだとフニャフニャしてしまう。それをいいバランスでつなげて、線も点もあるイメージでスイングするようにしています。
その3つの中でも、打点がちょっと強い感覚ですかね。インパクトでガッと力が入ると、強いボールが打てます。適度な脱力からそれなりに力が入った状態になり、全部がつながってきれいな線になるんです。
足のステップに関しても、1つ意識しているコツがあります。私は片足でボールに入るのではなく、両足をパッとセットするイメージを持っているんです。勢い良く走っていっても、最後に一瞬でいいから、両足でバランスを取る形を作る(4コマ目)。これは安定して結構いいですよ!
【プロフィール】山口芽生/やまぐちめい
1999年6月14日、東京都生まれ。159cm、右利き。高校に行かず国内のJTA大会、ジュニア大会を回って力を付け、17歳でプロ転向。攻撃的なストロークを武器に国内外を転戦し、2021年にポルトガルでITFツアー初優勝。今年の東レPPOでは予選を勝ち上がり初のWTAツアー本戦入り。浜松W35を制し、自己最高世界ランク295位、国内ランク12位まで上げている。所属:フリー。
構成●スマッシュ編集部
取材協力●SBCドリームテニスツアー
※『スマッシュ』2023年3月号より再編集
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