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海外テニス

ジョコビッチを“指導”するマリーの資質をライバルのコーチが疑問視「彼はトレーニングについて何も知らないはず」<SMASH>

中村光佑

2024.12.04

ジョコビッチ(右)とタッグを組むマリー氏(左)にコーチとしての資質はあるのか? メドベージェフ(小窓写真右)のコーチであるセルバラ氏(同左)は疑問を投げかける。(C)Getty Images

ジョコビッチ(右)とタッグを組むマリー氏(左)にコーチとしての資質はあるのか? メドベージェフ(小窓写真右)のコーチであるセルバラ氏(同左)は疑問を投げかける。(C)Getty Images

 今夏のパリ五輪で現役生活に幕を閉じた男子テニス元世界ランク1位のアンディ・マリー氏(イギリス)が、四大大会史上最多タイの24勝を誇る盟友ノバク・ジョコビッチ(セルビア/元1位/現7位)のコーチに就任したニュースはテニス界に驚きをもたらした。“ビッグ4”としてテニス界を牽引してきた2人のレジェンドが同じチームで協力する姿を見られることを、多くのファンが楽しみにしていることだろう。

 しかし元世界1位でツアー20勝を挙げているダニール・メドベージェフ(ロシア/現5位)を2017年から指導しているジル・セルバラ氏(フランス/43歳)は、今回の“最強タッグ”結成に疑問を抱いている様子だ。先日応じた仏メディア『レキップ』の取材で同氏は、純粋にコーチとしての経験が全くないマリー氏がジョコビッチに何をもたらせるのかが現状よくわからないと率直に自身の考えを示した。

「マリーのことは私も知っているから、コーチに就任したことへの驚きはない。そもそも彼が引退して2、3カ月以上じっとしているとも思っていなかった。だが、彼はいわゆる“トレーニング方法論”というものを学んでいない。トレーニングについて何も知らないはずだから、実際にコーチをやりながら学ぶことになるのだろうが、それはノバク(ジョコビッチ)がマリーと一緒に仕事をしたい理由ではないと思う」
 
 その上でセルバラ氏は、3度の四大大会優勝や五輪2連覇、さらには世界1位も経験したマリー氏は自分の強みや弱点を知り尽くしているジョコビッチに対して、どちらかと言えばメンター(助言者の意)的な役割を果たすことになるのではないかと予想する。最後には期待の言葉を交えてこう締めくくった。

「(プレー面での)コーチングに関しては、ノバクは自分自身を非常によく理解しているため、他の人の手助けは必要ないと考えているかもしれない。もしそれが必要になってもチームの他のメンバーに助けを求めるだろう。とにかく、すぐには明らかにならないであろう新たなトレーニング方法論を探求するためには、自分自身に挑戦することが大切だ。あの2人なら全てのことが可能になる」

 なお今オフから仕事を始めるジョコビッチとマリー氏は、2025年シーズンの開幕戦「ブリスベン国際」(12月31日~1月7日/オーストラリア・ブリスベン/ハード/ATP250)で新チームでの初陣を飾る予定。現時点ではその直後に開かれる四大大会「全豪オープン」(1月12日~26日/オーストラリア・メルボルン/ハード)までを契約期間と定めており、以降の契約を延長するかどうかはジョコビッチの意向次第となるようだ。

文●中村光佑

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