現地12月１日にアルゼンチン・ブエノスアイレスで行なわれたエキジビションマッチ「エル・ウルティモ・デサフィオ（“最後の挑戦”の意）」で選手生活に幕を閉じた元世界ランク３位のホアン・マルティン・デルポトロ（36歳）が、4日に自身の公式X（@delpotrojuan）を更新。現役ラストマッチの対戦相手を務めた親友のノバク・ジョコビッチ（セルビア／元１位／現７位）に向け、感謝の言葉を綴った。

　計６度の手術を決行するなど深刻化した右ヒザのケガを理由に、2022年２月のアルゼンチン・オープン（アルゼンチン・ブエノスアイレス／クレー／ATP250）に出場して以降ツアーを離れていたデルポトロは、自身のSNSに投稿したインタビュー動画で今回のエキジビションをキャリア最後の試合にすると発表。そこにツアーで計20度顔を合わせたジョコビッチを招待し、大勢の母国ファンの前で引退試合を行なった。

　試合後には約15秒にもわたる熱いハグを交わし、会場中を感動の渦に巻き込んだ両者。このほど更新したXでデルポトロはわざわざ遠いアルゼンチンまで駆けつけてくれたジョコビッチへの心からの感謝を母語のスペイン語でこう記した。

「親愛なるノーレ（ジョコビッチの愛称）へ。言葉ではとても言い尽くせないほど、あなたが私のためにしてくれた全てのことに感謝しています。あなたにとって非常に困難なシーズンであったにもかかわらず、アルゼンチンでの私の引退セレモニーに参加するというこの大きな、無謀とも言える計画を引き受けてくれたことには感謝してもしきれません。あなたが私の国を去る日まで、あなたは決して忘れることのない寛大さを見せてくれました。
  　あなたとあなたのチーム全員が、私のためにどんなに細かいことにも対応してくれて、本当に感謝しています。あなたは私が置かれた状況を理解し、共感してくれました。そしてコート内外で、私の最高の仲間でいてくれました。それによって、私自身も想像していなかった夢のような引退セレモニーが実現したのです。あなたの存在は、このイベントを私や私の家族にとって忘れられないものにしただけでなく、テニスを超えた意味を持っています。あなたのおかげで国全体に楽しさと感動をもたらすことができたと思います。

　そして、あなたがスポーツ界で史上最高の選手であるだけでなく、人としても偉大であることが改めて証明されました。アルゼンチンはあなたを愛しています。ショーやあなたの寛大さ、そして引退の日を完璧なものにするために尽くしてくれたことに、永遠に感謝しています。（あなたと共にやり遂げた）これら全てのことから何か特別なものが生まれたと感じています。それは、永遠に続く真の友情です。友よ、本当にありがとう。あなたのことが大好きです。また会いましょう」

　デルポトロのリスペクト溢れる言葉をジョコビッチも喜んで受け取ったことだろう。また近いうちに２人がテニスコートでボールを打ち合う姿を見たいものである。

文●中村光佑

【画像】全米OP優勝、リオ五輪銀メダル獲得など輝かしい功績を残したデルポトロのキャリアを厳選ショットで紹介！

【関連記事】元全米王者のデルポトロ、母国のエキジビで親友ジョコビッチに勝利し現役生活に幕「最高の形で終えることができて幸せだ」＜SMASH＞

【関連記事】元世界３位デルポトロが引退試合を前に積年のケガの苦悩を赤裸々告白！「100回以上の注射を打ち、毎日苦しんだ」＜SMASH＞