海外テニス

20歳の元全米女王ガウフ、ネット上の誹謗中傷は「自分を奮い立たせモチベーションに変える」と動じず<SMASH>

中村光佑

2024.12.13

ソーシャルメディアを通じて選手に寄せられる誹謗中傷が近年問題になっているが、ガウフはそうした負のエネルギーも自身のパワーへとかえてしまうようだ。(C)Getty Images

 昨年9月の全米オープンで悲願の四大大会初優勝を飾った女子テニス世界ランク3位のココ・ガウフ(アメリカ)。今季もシーズン最終戦「WTAファイナルズ」での初優勝を含むツアー3勝を挙げるなど充実の1年を送った20歳のニューヒロインは、日々自身のSNSに寄せられる辛辣な声もモチベーションに変えているという。

 近年のソーシャルメディアの急速な普及により、テニス界でも選手への誹謗中傷(主に賭博関連)が大きな問題となっている。

 一例を挙げると女子元世界11位のアナスタシア・パブリチェンコワ(ロシア/現30位)は、今年1月の「アデレード国際1」(オーストラリア・アデレード/ハードコート/WTA500)の準々決勝で敗れた直後に自身のSNSで数多くの罵詈雑言が寄せられたと報告し、不快感をあらわにしていた。

 インスタグラムやX、TiktokなどSNSをフル活用していることで知られるガウフは、先日応じた米のエンターテイメント系週刊誌『People』の取材で「誹謗中傷は多くの人が共感できる話題。ほとんどの人が、ネット上の荒らし行為や職場の人たちが自分を信じていない場面を目にしたことがあると思う」とコメント。
 
 その上で自身のソーシャルメディアとの向き合い方を簡潔にこう明かした。

「私の場合は時々、あえて(心無い)コメントを読んで自分を奮い立たせ、それをモチベーションに変えて、"彼らが間違っていることを証明してやろう"と思うようにしている」

 おそらくガウフは内容に関係なく全てのコメントを自身への"期待の裏返し"だと捉えているのかもしれない。まだ20歳にしてそのメンタリティを持っていることには感服せざるを得ないが、どんな理由であれ誹謗中傷は断じて許されるものではない。匿名性が高いSNSでこそ選手へのリスペクトを欠くべきではないだろう。

文●中村光佑

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