日本男子テニス界のNo.１プレーヤーである西岡良仁（世界ランク69位）が、本気で世界を目指すジュニアのために創設した大会「Yoshiʼs CUP」。西岡自らが有望と見込んだ16歳以下の中高生８名を招待して行なうこの大会は今年で４回目を迎え、12月14日(土)にモリパークテニスガーデン（昭島市）で初日の試合が行なわれた。

「Yoshiʼs CUP」の最大の特徴は、ジュニアでありながら報奨金が用意されていることで、海外遠征費やキャンプ費などの補助として、優勝者には上限400万円が、西岡が独自の目線で選ぶ「西岡賞」受賞者には上限50万が送られる。他にも西岡との練習や、国際トーナメント「UCHIYAMA CUP」「SBCドリームテニスツアー国際大会」への主催者推薦出場、米国フロリダの「IMGアカデミー」への短期留学など、強くなるための様々な特典が用意されている。

　試合は14日(土)、15日(日)の２日間にわたり、初日は４名ずつがＡ、Ｂの２グループに分かれての総当たり戦が行なわれた。

　Ａグループには連覇が懸かる川西飛生が登場。初戦は「緊張した」と言いつつも岡部世南を6-2で破り、その後も全日本ジュニア16歳以下王者の貫禄を見せて３戦全勝で１位通過を果たした。

「今年は第１シードということで、そういう意味でのプレッシャーはありましたが、決勝トーナメントに上がれて良かったです。昨年は出だしでつまずいたところがあったので、今回は最初から気を引き締めて臨みたいです」と川西。

　一方、出場予定の田畑遼の欠場により、大会３日前に出場が決まった岡部は「まさか出られると思っていなかった」という中、２勝を挙げて２位通過を決めた。初戦の川西には敗れたが「２試合目以降はその反省も踏まえて集中してできたと思います。ハードコートがあまり得意ではない中でも勝てて良かったです。明日は２試合勝って優勝したいです」と意気揚々と語っていた。
  　Ｂグループは３人が２勝１敗で並ぶ混戦となったが、得失ゲーム数により第２シードの奈良恒輝と、渡邉栞太が決勝トーナメントに進出した。

　シードのプレッシャーを感じつつ試合に臨んだ奈良は、川口孝大に第１試合で敗退。大垣心太郎にも4−4と苦戦したが、「ファーストサービスの確率が落ちたところをリターンでプレッシャーをかけた」ことによって辛勝する。最後は渡邉の積極的なネットプレーにもひるむことなく打ち切って勝利した。

「岡部選手とは初対戦なのですが、どんな相手でも自分のプレーをしっかりして勝ち上がりたいです」と、決勝トーナメントに向け意気込みを語った。

　渡邉は大会２週間前にインフルエンザを患い、思うように練習ができなかったというが、失ゲームを抑えたことにより２位通過を決めた。「体調が万全でない中でも勝ってトーナメントに上がれたのはうれしいです。川西選手にはまだ勝ったことがないのですが、目の前の１ポイントに集中して戦って勝ちたいです」と闘志を燃やす。

　15日は各グループ上位２名ずつによる決勝トーナメントを行なう。“世界への切符”を誰が手にするか、目を離せない戦いが続く。

構成●スマッシュ編集部

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