先月行なわれた男子テニス国別対抗戦「デビスカップ(デ杯)・ファイナルズ・ノックアウトステージ」(スペイン・マラガ/室内ハード)で惜しまれながらも現役生活に幕を閉じた元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/38歳)。四大大会のシングルスで8度の優勝を誇る元世界王者のアンドレ・アガシ氏(アメリカ/54歳)は、"ナダルロス"が盟友ノバク・ジョコビッチ(セルビア/現7位)のモチベーションに大きな影響を与えうると持論を展開する。
絶大なカリスマ性と強さを誇るジョコビッチとナダルは男子ツアー最多の60度もの対戦を経験しており、最高峰の四大大会決勝でも幾度となくしのぎを削ってきた。それを踏まえてアガシ氏は海外メディア『tennishead』を通じ、宿命のライバルであるナダルがいなくなったことが、未だ現役でプレーしているジョコビッチのメンタル面に大きく響くのではないかと自身の考えを主張した。
「一緒に戦ってきた仲間が去ってしまうというのはとりわけ大きな出来事だ。私もサンプラス(アメリカ/元1位)が引退した時はショックを受けたよ。それによって私は少々(メンタル的に)ダウンしてしまったからね。それ以降はある意味で自分の"インスピレーション"というものを再発見しなければならなくなった」
ちなみに今季のジョコビッチは計12大会に出場し、国別対抗戦を除いた10大会のうちウインブルドンとパリ五輪、上海マスターズで決勝に進出。パリ五輪では初の金メダルを獲得すると同時に、史上最年長で悲願だった生涯ゴールデンスラム(キャリアで全ての四大大会と五輪を制すこと)の偉業を達成した。
一方でツアータイトルは1つもなく、右ヒジのケガで長期離脱を強いられた2017年以来7年ぶりに通算勝利数が40を下回るなど、これまで無類の強さを誇ってきたジョコビッチからすると物足りない1年だった。自身でも「今年は結果の面では過去最悪のレベル」と振り返っていたほどだ。
そこにナダルとアンディ・マリー(イギリス/元1位)の引退も重なり、長年テニス界を牽引してきた"ビッグ4"も残すはジョコビッチただ1人。そうした現状に、ジョコビッチを1年間だけ指導した経験を持つアガシ氏は「彼は共に歴史を築いてきた仲間たちを失ってしまった。だから、精神的にはますます厳しい状況になっていくかもしれない」と心配を寄せる。
だがどんなに歳を重ねても経験豊富かつ幾多の困難を乗り越えてきたジョコビッチを決して侮ってならないとアガシ氏は言う。「私は彼に対して逆張りすることはない。彼の可能性に賭けないというなら、それなりの覚悟を持つべきだね」と期待を込めて締めくくった。
既報の通りジョコビッチは先日今夏のパリ五輪で選手生活を終えたマリーを新コーチとして招聘したが、この最強タッグ結成こそモチベーションを保つための秘策なのかもしれない。ちなみに2人の契約期間はこのオフシーズンから来年1月の「全豪オープン」(1月12日~26日/オーストラリア・メルボルン/ハード)までの予定で、その後契約を延長するかどうかはジョコビッチの意向次第となるようだ。
文●中村光佑
【画像】ジョコビッチはじめ、パリオリンピック・テニス競技のメダリストたち
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絶大なカリスマ性と強さを誇るジョコビッチとナダルは男子ツアー最多の60度もの対戦を経験しており、最高峰の四大大会決勝でも幾度となくしのぎを削ってきた。それを踏まえてアガシ氏は海外メディア『tennishead』を通じ、宿命のライバルであるナダルがいなくなったことが、未だ現役でプレーしているジョコビッチのメンタル面に大きく響くのではないかと自身の考えを主張した。
「一緒に戦ってきた仲間が去ってしまうというのはとりわけ大きな出来事だ。私もサンプラス(アメリカ/元1位)が引退した時はショックを受けたよ。それによって私は少々(メンタル的に)ダウンしてしまったからね。それ以降はある意味で自分の"インスピレーション"というものを再発見しなければならなくなった」
ちなみに今季のジョコビッチは計12大会に出場し、国別対抗戦を除いた10大会のうちウインブルドンとパリ五輪、上海マスターズで決勝に進出。パリ五輪では初の金メダルを獲得すると同時に、史上最年長で悲願だった生涯ゴールデンスラム(キャリアで全ての四大大会と五輪を制すこと)の偉業を達成した。
一方でツアータイトルは1つもなく、右ヒジのケガで長期離脱を強いられた2017年以来7年ぶりに通算勝利数が40を下回るなど、これまで無類の強さを誇ってきたジョコビッチからすると物足りない1年だった。自身でも「今年は結果の面では過去最悪のレベル」と振り返っていたほどだ。
そこにナダルとアンディ・マリー(イギリス/元1位)の引退も重なり、長年テニス界を牽引してきた"ビッグ4"も残すはジョコビッチただ1人。そうした現状に、ジョコビッチを1年間だけ指導した経験を持つアガシ氏は「彼は共に歴史を築いてきた仲間たちを失ってしまった。だから、精神的にはますます厳しい状況になっていくかもしれない」と心配を寄せる。
だがどんなに歳を重ねても経験豊富かつ幾多の困難を乗り越えてきたジョコビッチを決して侮ってならないとアガシ氏は言う。「私は彼に対して逆張りすることはない。彼の可能性に賭けないというなら、それなりの覚悟を持つべきだね」と期待を込めて締めくくった。
既報の通りジョコビッチは先日今夏のパリ五輪で選手生活を終えたマリーを新コーチとして招聘したが、この最強タッグ結成こそモチベーションを保つための秘策なのかもしれない。ちなみに2人の契約期間はこのオフシーズンから来年1月の「全豪オープン」(1月12日~26日/オーストラリア・メルボルン/ハード)までの予定で、その後契約を延長するかどうかはジョコビッチの意向次第となるようだ。
文●中村光佑
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