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海外テニス

渦中の”バナナ男”が事件について弁解。「実際にコートで起きていたことをみんな知らない」

誉田優

2020.01.23

一回戦の杉田との試合中にバナナを食べるベンシェトリ。自ら剥いて食べるも、どこか不服そうな様子だった。写真=山崎賢人(THE DIGEST写真部)

一回戦の杉田との試合中にバナナを食べるベンシェトリ。自ら剥いて食べるも、どこか不服そうな様子だった。写真=山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 現在開催中の全豪オープンで、『バナナ男』としてネットを中心に批判が集中しているフランスの世界231位エリオット・ベンシェトリが、今回の事件について弁解しているようだ。

 事件というのは、全豪オープンの予選での出来事。あと1試合勝てば本戦出場という試合で、ベンシェトリがボールガールに向かってバナナを剥くように依頼。それを見た主審が、ベンシェトリの行為をとがめ、しぶしぶ自ら剥くことになったのだが、その際の動画がSNSで公開され、ネット上で大きな批判の渦となっているのだ。

 現地の報道によると、ベンシェトリは「最終セット6-5になった時に、手に制汗クリームを塗った。だからボールガールにバナナを剥いてもらうように頼んだんだ」としており、理由あってのことだと主張。

 また「ボールガールには、試合序盤にも1度同じことをしてもらっていた。けれど2度目には審判が割って入ってきて『彼女は奴隷じゃない、自分で剥くように』と言ってきたんだ」「審判に言われたことが信じられなかった。実際にコートで起きていたことをみんなが知らないまま、SNSでコントロール不能な状況になっていることにも驚いているよ」とした。
 
 事実、SNSでは多くの批判の声が寄せられており、中にはテニス界のレジェンドであるマルチナ・ナブラチロワなど著名人の声も。それら批判に対しベンシェトリは「とても優しく頼んだんだ」「たった10秒の動画だけで判断しないでくれ」などと反論しているが、誰も聞き入れてくれない様子だ。

 なお、彼はその後、予選を勝ち抜き本戦へと進出したが、1回戦で日本の杉田祐一に敗れ、後味の悪いまま全豪オープンを後にした。

 2018年には、スペインのフェルナンド・ベルダスコが、深センオープンにてボールキッズに対して暴言を吐いたことで非難され、一部大会ではボールキッズが選手のタオルを持って走り回ることがないよう、コートにタオルボックスを設けるなど、ボールキッズの扱いにも注目が集まっている。

 ATPとWTAではスポーツマンシップ賞が設けられ、毎年、スポーツマンシップを発揮した選手が表彰されているが、表彰されないからといって、スポーツマンシップを欠いて良いということではない。

 今一度、スポーツマンシップとは何たるかを考え直す必要があるのではないだろうか。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda
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