既報の通り、元世界1位の大坂なおみ(現51位)がテニス四大大会「全豪オープン」(1月12日~26日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)の女子シングルス3回戦でベリンダ・ベンチッチ(スイス/294位)と対戦し、第1セットをタイブレークの末に6-7(3)で落とすと、直後に途中棄権を申し出て敗退となった。
この試合を間近で観戦していたい日本テニス界レジェンドの松岡修造氏は試合後、自身の公式インスタグラム(@shuzo_dekiru)を通じて大坂が棄権に至るまでの様子を独自目線で詳細に綴った。
「腹筋の痛みで、第1セット6−7の場面でベンチッチ選手に握手を求めたなおみさん。事前に試合予想を記していたが、腹筋の状態は予想以上に悪かった。コーチとなおみさんの試合中のやり取りを含め振り返っていきたい」と書き出し、大坂のコーチ、パトリック・ムラトグル氏の後ろにいた松岡氏が貴重なやり取りも明かした。
松岡氏によれば試合前の練習から「ストロークはタイミングよく打てていたが、サーブは打たず。不安の残る内容だった」そうで、試合が始まってからの様子については次のように綴っている。
「なおみさんのサーブは150キロ。本来なら200キロ近いパワーサーブを持つなおみさんが、腹筋の痛みのためジャンプせず、足や腹筋の力を使わないサーブになる。ストロークもリズムを欠き、第1ゲームからいきなりブレークされる」
だが、不安なスタートとなったものの、「相手の武器であるストレートショットを阻止するように、リスクを冒して自らストレートを狙っていく。そして、それが見事に決まる!サーブも160キロにスピードアップ。決して速くはないが、次々とエースを奪っていく」と悪いながらも徐々にペースをつかんだことに期待も抱いた。
だが、松岡氏は大坂の気迫が見えたと同時に力み出たことで、腹筋の状態を悪化させたとしている。
「サーブのスピードが170キロを超えた瞬間、再び痛みが現れ、ミスが増える。サーブも膝を曲げずに打つように…。6−5で迎えたチェンジコートでトレーナーを呼び、痛み止めを受け取るなおみさん。その様子を見たムラトグルコーチが立ち上がり、バツ のサインを何度も送っていた。『もうやめよう。このまま腹筋を痛めたら、ツアー復帰が大変になる』そんなメッセージを送った」という。
松岡氏によるとタイブレークに突入するとムラトグルーコーチは大坂に「なおみ、腹筋の痛みを悪化させてはいけない。試合は棄権しよう」と提案したという。それでも何とか戦おうとした大坂だったが、第1セットを失うとリタイアを決意した。
松岡氏は最後に「正しい決断と、その先にある希望。本当に辛い光景でした。腹筋の痛みがどれほど辛いものか、自分も経験があるだけによく分かります。しかし、なおみさんの今後を考えると正しい判断だった。しっかりと体を治し、またハッピーななおみさんの姿を応援したい」と自身の思いを綴るとともに大坂を労わった。
オークランドで行なわれた全豪オープンの前哨戦で痛めた腹筋。それでも全豪オープンの1・2回戦は、大坂らしい力強いテニスで勝利を収めた。だがそれが限界だったようだ。痛みと戦いながらも勝利へ向かって進み続けた大坂。この棄権は苦渋の決断だったと思うが、ケガが長引かずベストな状態で再びコートに戻ってくることを願うばかりだ。
構成●スマッシュ編集部
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この試合を間近で観戦していたい日本テニス界レジェンドの松岡修造氏は試合後、自身の公式インスタグラム(@shuzo_dekiru)を通じて大坂が棄権に至るまでの様子を独自目線で詳細に綴った。
「腹筋の痛みで、第1セット6−7の場面でベンチッチ選手に握手を求めたなおみさん。事前に試合予想を記していたが、腹筋の状態は予想以上に悪かった。コーチとなおみさんの試合中のやり取りを含め振り返っていきたい」と書き出し、大坂のコーチ、パトリック・ムラトグル氏の後ろにいた松岡氏が貴重なやり取りも明かした。
松岡氏によれば試合前の練習から「ストロークはタイミングよく打てていたが、サーブは打たず。不安の残る内容だった」そうで、試合が始まってからの様子については次のように綴っている。
「なおみさんのサーブは150キロ。本来なら200キロ近いパワーサーブを持つなおみさんが、腹筋の痛みのためジャンプせず、足や腹筋の力を使わないサーブになる。ストロークもリズムを欠き、第1ゲームからいきなりブレークされる」
だが、不安なスタートとなったものの、「相手の武器であるストレートショットを阻止するように、リスクを冒して自らストレートを狙っていく。そして、それが見事に決まる!サーブも160キロにスピードアップ。決して速くはないが、次々とエースを奪っていく」と悪いながらも徐々にペースをつかんだことに期待も抱いた。
だが、松岡氏は大坂の気迫が見えたと同時に力み出たことで、腹筋の状態を悪化させたとしている。
「サーブのスピードが170キロを超えた瞬間、再び痛みが現れ、ミスが増える。サーブも膝を曲げずに打つように…。6−5で迎えたチェンジコートでトレーナーを呼び、痛み止めを受け取るなおみさん。その様子を見たムラトグルコーチが立ち上がり、バツ のサインを何度も送っていた。『もうやめよう。このまま腹筋を痛めたら、ツアー復帰が大変になる』そんなメッセージを送った」という。
松岡氏によるとタイブレークに突入するとムラトグルーコーチは大坂に「なおみ、腹筋の痛みを悪化させてはいけない。試合は棄権しよう」と提案したという。それでも何とか戦おうとした大坂だったが、第1セットを失うとリタイアを決意した。
松岡氏は最後に「正しい決断と、その先にある希望。本当に辛い光景でした。腹筋の痛みがどれほど辛いものか、自分も経験があるだけによく分かります。しかし、なおみさんの今後を考えると正しい判断だった。しっかりと体を治し、またハッピーななおみさんの姿を応援したい」と自身の思いを綴るとともに大坂を労わった。
オークランドで行なわれた全豪オープンの前哨戦で痛めた腹筋。それでも全豪オープンの1・2回戦は、大坂らしい力強いテニスで勝利を収めた。だがそれが限界だったようだ。痛みと戦いながらも勝利へ向かって進み続けた大坂。この棄権は苦渋の決断だったと思うが、ケガが長引かずベストな状態で再びコートに戻ってくることを願うばかりだ。
構成●スマッシュ編集部
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