現在行なわれている男子テニスツアー「ABNアムロ・オープン」(2月3日~9日/オランダ・ロッテルダム/室内ハードコート/ATP500)に出場中のカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランキング3位)が、大会ごとに使用球が異なるツアーの現状について「変化の必要性がある」と懸念を示した。
テニスツアーの世界では、2023年頃から使用されるボールに関して批判の声が多数上がってきた。
例えばパブロ・カレノブスタ(スペイン)は、2023年9月にヒジの故障から復帰した際、母国のテニス専門メディア『Punto de Break』にボールとケガの関連を主張した。
「連続した2つの大会で同じタイプのボールでプレーすることはない。(中略)それがケガを引き起こしている」
カレノブスタは、ケガからの復帰途上の練習中、ボールを違うブランドに替えた途端にヒジが炎症を起こしプレーを中止したことがあったという。
またテイラー・フリッツ(アメリカ)は、2023年10月に自身の公式X(@Taylor_Fritz97)で、「北米ハードコートシリーズが始まって以来、手首の問題に対処してきた。その原因は大会の使用球で、3週間で3つの異なるボールを使っていた」と不満を呟いていた。
さらにノバク・ジョコビッチも同月の「ロレックス・パリ・マスターズ」の記者会見でこう述べている。
「一緒に練習したコルダ(アメリカ)は、5週間で5つの異なるボールを使っていると言っていた。それが問題であり、僕たちはそのことに対して苦情を言っている。手首やヒジ、肩のケガの問題を避けるためには、もう少しボールに統一性が必要だと思う」
今回、アルカラスが表明した意見も概ね同様だ。
1回戦でボティック・ファンデザンツフープ(オランダ/同84位)を7-6(3)、3-6、6-1で下すと、会見で次のように語っている。
「昨年は負傷者が多く、ヒジや肩に問題を抱えた選手が多かったと思う。何かを変える必要がある。きっと変えてくれるだろう――。ほぼ毎週、異なるボール、異なるコンディションでプレーするのは大変だ。でも、僕たちは自分のベストを尽くすためにここにいる」
使用球の特性の違いは、選手のパフォーマンスに影響を与え、ゲームの内容や結果も左右する。それだけならば、天候やサーフェス、時差を伴う長距離移動などと同様にツアー選手がアジャストすべき要素の1つとも言えそうだ。
だが、選手たちが訴えているのはケガのリスクの増大だ。ボールの重さやバウンドの仕方、回転のかかり具合などの微妙な違いが、関節や筋肉に必要以上の負担をかける。プロテニスのプレー強度がますます上がるなかで、“使用球が頻繁に変わる問題”はより深刻になっているのだろう。
「今のところ、この問題でトラブルを抱えたことはない」というアルカラス。果たして若きスターの呼びかけは、テニス界にどのような反応を呼ぶのだろうか。
構成●スマッシュ編集部
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例えばパブロ・カレノブスタ(スペイン)は、2023年9月にヒジの故障から復帰した際、母国のテニス専門メディア『Punto de Break』にボールとケガの関連を主張した。
「連続した2つの大会で同じタイプのボールでプレーすることはない。(中略)それがケガを引き起こしている」
カレノブスタは、ケガからの復帰途上の練習中、ボールを違うブランドに替えた途端にヒジが炎症を起こしプレーを中止したことがあったという。
またテイラー・フリッツ(アメリカ)は、2023年10月に自身の公式X(@Taylor_Fritz97)で、「北米ハードコートシリーズが始まって以来、手首の問題に対処してきた。その原因は大会の使用球で、3週間で3つの異なるボールを使っていた」と不満を呟いていた。
さらにノバク・ジョコビッチも同月の「ロレックス・パリ・マスターズ」の記者会見でこう述べている。
「一緒に練習したコルダ(アメリカ)は、5週間で5つの異なるボールを使っていると言っていた。それが問題であり、僕たちはそのことに対して苦情を言っている。手首やヒジ、肩のケガの問題を避けるためには、もう少しボールに統一性が必要だと思う」
今回、アルカラスが表明した意見も概ね同様だ。
1回戦でボティック・ファンデザンツフープ(オランダ/同84位)を7-6(3)、3-6、6-1で下すと、会見で次のように語っている。
「昨年は負傷者が多く、ヒジや肩に問題を抱えた選手が多かったと思う。何かを変える必要がある。きっと変えてくれるだろう――。ほぼ毎週、異なるボール、異なるコンディションでプレーするのは大変だ。でも、僕たちは自分のベストを尽くすためにここにいる」
使用球の特性の違いは、選手のパフォーマンスに影響を与え、ゲームの内容や結果も左右する。それだけならば、天候やサーフェス、時差を伴う長距離移動などと同様にツアー選手がアジャストすべき要素の1つとも言えそうだ。
だが、選手たちが訴えているのはケガのリスクの増大だ。ボールの重さやバウンドの仕方、回転のかかり具合などの微妙な違いが、関節や筋肉に必要以上の負担をかける。プロテニスのプレー強度がますます上がるなかで、“使用球が頻繁に変わる問題”はより深刻になっているのだろう。
「今のところ、この問題でトラブルを抱えたことはない」というアルカラス。果たして若きスターの呼びかけは、テニス界にどのような反応を呼ぶのだろうか。
構成●スマッシュ編集部
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