2021年全米オープンでの四大大会初優勝を含む、ツアー20勝を挙げている男子テニス元世界ランキング1位のダニール・メドベージェフ(ロシア/現7位)が苦しんでいる。
昨季は当時21歳だった2017年以来7年ぶりに無冠に終わり、新シーズンを迎えてからも1月の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/四大大会)2回戦で予選勝者の19歳ラーナー・ティエン(アメリカ/現81位)に敗れるなど復調の兆しが見えてこない。
そして今週、第2シードで出場した「ABNアムロ・オープン」(2月3日~9日/オランダ・ロッテルダム/室内ハードコート/ATP500)でもスタン・ワウリンカ(スイス/元3位/現155位)との初戦こそ突破したものの、現地5日に実施された2回戦では予選勝者で格下のマッティア・ベルッチ(イタリア/同92位)に3-6、7-6 (6)、3-6とフルセットの接戦の末に金星を献上し、ベスト8進出を逃した。
先日には「結果が出なかった」との理由で、昨年2月にアドバイザーとして自身のチームに招聘したジル・シモン氏(フランス/元6位/22年引退)との関係を解消したメドベージェフ。一方で長年のコーチであるジル・セルバラ氏とはまだ仕事を続けており、かけがえのない恩師と共にいち早くトンネルを抜け出したいところだろう。
ただ最近は負けが込んでいるメドベージェフに「間もなくキャリアを終えるのではないか」との“引退説”が囁かれ始めているとのこと。それでも男子ツアーを牽引してきた28歳は、まだまだもがき続ける意欲を見せている。
ベルッチとの試合を終えた後の会見で引退説について問われると、次のように答えた。
「僕はテニスが大好きだし、今でも大金を勝ち取っている。できる限りはプレーを続けるつもりだ。仮にトップ100から脱落したら、また考えなければならないけど、おそらくそれ(引退)はまだ来ないと思う。十分に強くなって戻ってくると確信している。それだけだ」
しかし近年のプロテニスのトレンドとも言える“球足の遅いサーフェス”と“パワーが伝わりにくいボール”では現状を打開するのは難しいかもしれないと、2023年5月のイタリア国際(ATP1000)以来ツアー優勝がないメドベージェフは不安をのぞかせる。会見の最後には「今のような状況ではレースを主導できるほどの力はない」と現実の厳しさも語った。
コートのサーフェス(種類)やボールの変化に加え、近年の男子テニス界では数多くの若手が頭角を現している。その中で中堅のメドベージェフがまた勝てるようになるまでには前途多難な道のりが待っているかもしれないが、何とか踏ん張ってくれることを願いたい。
文●中村光佑
【画像】全豪オープン2025に出場したメドベージェフら男子選手の厳選写真!
【関連記事】テレビカメラ破壊、ラケットの投げつけ、会見拒否!大荒れのロシア選手に全豪オープンが1000万円超の罰金科す<SMASH>
【関連記事】最終戦グループリーグ敗退のメドベージェフ、7年ぶりに無冠でシーズンを終えるも「タイトルはあまり気にしていない」と楽観視<SMASH>
昨季は当時21歳だった2017年以来7年ぶりに無冠に終わり、新シーズンを迎えてからも1月の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/四大大会)2回戦で予選勝者の19歳ラーナー・ティエン(アメリカ/現81位)に敗れるなど復調の兆しが見えてこない。
そして今週、第2シードで出場した「ABNアムロ・オープン」(2月3日~9日/オランダ・ロッテルダム/室内ハードコート/ATP500)でもスタン・ワウリンカ(スイス/元3位/現155位)との初戦こそ突破したものの、現地5日に実施された2回戦では予選勝者で格下のマッティア・ベルッチ(イタリア/同92位)に3-6、7-6 (6)、3-6とフルセットの接戦の末に金星を献上し、ベスト8進出を逃した。
先日には「結果が出なかった」との理由で、昨年2月にアドバイザーとして自身のチームに招聘したジル・シモン氏(フランス/元6位/22年引退)との関係を解消したメドベージェフ。一方で長年のコーチであるジル・セルバラ氏とはまだ仕事を続けており、かけがえのない恩師と共にいち早くトンネルを抜け出したいところだろう。
ただ最近は負けが込んでいるメドベージェフに「間もなくキャリアを終えるのではないか」との“引退説”が囁かれ始めているとのこと。それでも男子ツアーを牽引してきた28歳は、まだまだもがき続ける意欲を見せている。
ベルッチとの試合を終えた後の会見で引退説について問われると、次のように答えた。
「僕はテニスが大好きだし、今でも大金を勝ち取っている。できる限りはプレーを続けるつもりだ。仮にトップ100から脱落したら、また考えなければならないけど、おそらくそれ(引退)はまだ来ないと思う。十分に強くなって戻ってくると確信している。それだけだ」
しかし近年のプロテニスのトレンドとも言える“球足の遅いサーフェス”と“パワーが伝わりにくいボール”では現状を打開するのは難しいかもしれないと、2023年5月のイタリア国際(ATP1000)以来ツアー優勝がないメドベージェフは不安をのぞかせる。会見の最後には「今のような状況ではレースを主導できるほどの力はない」と現実の厳しさも語った。
コートのサーフェス(種類)やボールの変化に加え、近年の男子テニス界では数多くの若手が頭角を現している。その中で中堅のメドベージェフがまた勝てるようになるまでには前途多難な道のりが待っているかもしれないが、何とか踏ん張ってくれることを願いたい。
文●中村光佑
【画像】全豪オープン2025に出場したメドベージェフら男子選手の厳選写真!
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