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【1日3分間のメンタル強化法 第30回】“前後際断”でミスした「過去」を切り捨て、コントロールできる「今」に集中!<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.02.08

試合でミスを引きずった時は手刀(てがたな)を作り、切る動作をしよう。マイナスの感情から解放され、今に集中しやすくなる(※写真はイメージ)。(C)Getty Images

試合でミスを引きずった時は手刀(てがたな)を作り、切る動作をしよう。マイナスの感情から解放され、今に集中しやすくなる(※写真はイメージ)。(C)Getty Images

 テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。

 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。

* * *

 前回の「欲から入り、欲から離れる」では、欲を持つこと、欲から離れることの大切さを考えてみました。今回は一歩進んで「前後際断(ぜんごさいだん)」ついて考えてみたいと思います。

 前後際断とは「過去にとらわれず、未来を憂うことなく、今を生きる」という禅の教えで、前後は「まえ」「うしろ」のこと、「さい」は水際のきわという字で、「だん」は断つという字を書きます。

 テニスの試合でよく耳にするアドバイスに「ミスを引きずるな」があります。テニスという競技はミスをカウントしているようなスポーツです。だからこそ、ミスをしないことは大事ですが、逆にミスをいちいち気にしていたらゲームにはなりません。これは1度や2度の失敗で臆病にならず、挑戦心を忘れずに積極的に楽しんでプレーをしなさいということです。
 
 次に「肩の力を抜け」があります。これは「ここで一本決めよう!」と力まずに、もっとリラックスしなさいということです。人間はいい結果を求めたりミスを怖がると、力んだり逆にボールを置きにいったりします。「焦り・力み・不安」の感情が顔を出すと、理想とするプレーから遠ざかってしまいます。

「気持ちの切り替え」とも言えますが、ミスを引きずっている自分や、いい結果を出そうともがいている自分を感じたら手刀(てがたな)を作り、「サイダン!」と大きな声で
唱えることを勧めます。マズイ感情から解放されると思います。

 過ぎてしまったミスやこれから起こる事実はコントロールできません。コントロールできるのは「今・ここ」でしかないのです。余計なことが浮かんだらスパッと手刀で切り捨て、今できることに集中しましょう。

 少し話は変わりますが、ある駅伝監督の言葉に「今日のことは今日やろう。明日はまた明日やるべきことがある」があります。本当にその通りだと思います。皆さんもいい気付きがあった時は「すぐにやる」というクセをつけてください。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年12月号から抜粋・再編集

【画像】強靭なメンタルを持つトッププロたちの練習の様子

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