海外テニス

2大会連続で初戦敗退のジョコビッチが現状を冷静に分析「良いプレーもあるが、全体としては本当に苦しい状態」<SMASH>

中村光佑

2025.03.10

先月のカタール・オープンに続き、現在開催中のBNPパリバ・オープンでも初戦で姿を消したジョコビッチ。(C)Getty Images

 男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズ「BNPパリバ・オープン」(3月5日~16日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート)は現地8日に大会4日目を迎え、シングルス2回戦に元世界ランキング1位で第6シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/現7位)が登場。ラッキールーザー(予選敗者が本戦に繰り上がる救済措置)のボティック・ファンデザンツフープ(オランダ/同85位)と対戦したが、2-6、6-3、1-6で敗れ、3回戦進出を逃した。

 37歳のジョコビッチは男女を通じて史上最多となる四大大会25度目の優勝が懸かっていた今年1月の「全豪オープン」でベスト4へ進出するも、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同2位)との準決勝を左太ももの肉離れにより途中棄権。2月に出場した「カタール・エクソンモービル・オープン」(ATP500)は初戦敗退に終わっていた。

 今大会はシード勢が1回戦免除のため、ファンデザンツフープとの2回戦が初戦となったジョコビッチ。第2ゲームから5ゲームを連取されて第1セットを落とすも、第2セットで息を吹き返し、2度のブレークを奪ってセットオールに持ち込んだ。しかしファイナルセットでは2度のサービスダウンを喫し、2時間1分で力尽きた。

 これで2大会連続の初戦敗退。ツアーで3連敗(棄権した全豪も含む)を喫したのは、右ヒジのケガからの復帰直後だった2018年シーズン以来実に7年ぶりのことである。試合を通して37本のアンフォーストエラーを叩くなど精彩を欠いたジョコビッチは、敗戦後の記者会見で勝者を素直に称えつつ、自身の不甲斐ないプレーをこう嘆いた。
 
「良くない1日だった。第3セットの最初の3~4ゲームは接戦で、チャンスもあった。でも、あまりにひどいミスをしてしまった。第3セット序盤のほとんどのポイントでは、主導権を握っていたと思う。試合を振り返れば、もう少し何ができたのか見えてくると思うが、 彼(ファンデザンツフープ)は僕のサービスをブレークした時、素晴らしいポイントをいくつも決めていた。ただ、そもそも自分をあんな厳しい状況に追い込むべきではなかった」

 それでも今年5月に38歳を迎えるレジェンドは苦戦が続く自身の現状を冷静に見つめている。とにかく今はできる限りのことをやるしかないとし、こう締めくくった。

「この数年間、明らかに(テニス界の)状況は変わっていて、望んでいるレベルでプレーするのに苦労している。時折良いプレーができるトーナメントもあるが、全体としては本当に苦しい状態だ。ただこうした状況に事前に備えることはできない。その瞬間を実際に経験して、最善の方法で対処するしかない」

 この後ジョコビッチは19日に開幕するマスターズ1000大会「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ハード/ATP1000)に出場予定。いくらジョコビッチといえども年齢の壁を打ち破ることは容易ではないのだろうが、次戦以降の巻き返しを期待したい。

文●中村光佑

【動画】ジョコビッチVSファンデザンツフープの「BNPパリバ・オープン」2回戦ハイライト

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