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海外テニス

アリゾナ大会準決勝敗退の錦織圭、若手注目株フォンセカとの戦いを振り返る「速さにちょっとついていけなかった」<SMASH>

内田暁

2025.03.16

「アリゾナ・テニス・クラシック」の準決勝で18歳フォンセカに敗れた錦織は、その若獅子の才能を改めて実感したようだ。(C)Getty Images

「アリゾナ・テニス・クラシック」の準決勝で18歳フォンセカに敗れた錦織は、その若獅子の才能を改めて実感したようだ。(C)Getty Images

「いやもう、めちゃめちゃ気になってますね」

 ジョアン・フォンセカ(ブラジル)について問うた時、錦織圭は間髪入れずに、そう言った。

 現在、米アリゾナ州フェニックスで開催中の男子テニスツアーの下部大会「アリゾナ・テニス・クラシック」(3月11日~16日/ハードコート/CH175)。その準決勝での対戦が決まった時のことだ。

 今、テニス界が最も熱い視線を送る若手がフォンセカであることに、異を唱える者は少ないだろう。今年1月の「全豪オープン」で予選を突破すると、初戦で第9シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/現世界ランキング8位)に快勝する衝撃のグランドスラム本戦デビュー。その熱も冷めぬ2月には、ATP250の「アルゼンチン・オープン」でツアー初タイトルを手にした。

 18歳でのセンセーショナルなツアー優勝といえば、日本のテニスファンなら錦織圭を思い浮かべるところ。それも2月、そして決勝で地元の人気選手を破ったあたりも、17年前の錦織に重なるものがある。

 そのテニス界の新星は、錦織にとっても、気になる存在だった。

「去年末のチャレンジャー(ヘルシンキ・オープン)で最初に会ったんです。まだ大きな結果が出ないながらも、すぐ来るんだろうなと思っていた。こんなにうまいのに、なんで負けるんだろうと思っていたくらいの選手だったので。本当に一つのきっかけで、あんなに強くなった」
 
 とりわけ錦織も目を見張ったのは、本人も「武器」と自認するフォアハンド。
 
「やっぱり、フォアの球の速さは光ってますよね。(ホアン・マルティン)デルポトロとはまたちょっと違いますけど、あんな感じ。(カルロス・)アルカラスみたいに、フォアの強さが光っている良い選手だなと思います」

 かつてのライバルらも引き合いに出しながら、錦織は18歳が放つショットの「速さ」に、最上級の評価を与えた。

 迎えた準決勝での初対戦。立ち上がりからフォンセカは、自分の力を誇示するかのように、強烈なフォアを錦織のコートに叩き込きこむ。フォンセカにとって錦織は、「子どもの頃から、テレビで試合を良く見ていた」尊敬する存在。「対戦が楽しみ」の言葉通り、情熱迸らせボールを叩いていた。
 
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