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海外テニス

アリゾナ大会準決勝敗退の錦織圭、若手注目株フォンセカとの戦いを振り返る「速さにちょっとついていけなかった」<SMASH>

内田暁

2025.03.16

想定以上の力を秘めていたフォンセカに敗れた錦織だが、戦いを経て手にした経験値を糧して19日に開幕する「マイアミ・オープン」へと歩を進める。(C)Getty Images

想定以上の力を秘めていたフォンセカに敗れた錦織だが、戦いを経て手にした経験値を糧して19日に開幕する「マイアミ・オープン」へと歩を進める。(C)Getty Images

 対する錦織も、試合序盤から腕を振るたびに声を上げ、激しくボールを打ち返す。フォンセカの頭上を抜きライン際に落ちるロブや、クロスを打ち込むや否や前に出て決めるボレーなど、豊富な手持ちのカードを次々に切った。

 ただ、ベースライン後方からでも深く打ち込まれるフォンセカの強打に、徐々に押し込まれる局面が増えていく。時間的余裕を削られて、使いたいと言っていたスライスも封じられた。

 第1セットは並走状態から、バックのウイナーを連発し第6ゲームをブレークしたフォンセカが奪取。

 第2セットでの錦織は、ペースを緩めたボールを左右に散らし、緩急つけたストロークに突破口を見いだす。ただ、フォンセカは錦織の揺さぶりにも脚力を生かして対応し、逆にドロップショットを沈める場面も。このセットも第5ゲームをブレークしたフォンセカが、好サービスを連発し勝利まで走り切った。
 
「最初から、速かったですね」

 試合後の錦織は、落胆を隠せぬ声のトーンで、対峙し実感したスピード感に言及する。その速さとは、単なる球速だけではない。

「他の選手より展開も速いし、少しでも甘いボールを与えると振ってくる。その速さに、ちょっとついていけなかったですね。タイミングが早く、あれだけの球を打たれると――。

 他の選手ならもうちょっと時間をくれますが、そこがどうしても押されていってしまう。風もあった中で、思い切ってもうちょっと振っていけば良かったなとは、今になって思いますが」

 視線を落とし、錦織はポツリポツリと言葉を紡いだ。

 前週の「BNパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウエルズ)では2回戦で敗れたため、試合を欲し出場した今回のチャレンジャー。その成果は、「若干戻ってきた」というボールを捕らえる感覚であり、63位への上昇が見込まれるランキング。もちろん、新世代のテニスを肌身で実感できたことも、今後に向け大きな収穫だろう。

 次なる戦いの舞台は、3日後には開幕する「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ハード/ATP1000)。4連戦で蓄積した疲労の回復につとめつつ、過去に決勝進出も果たした相性の良い地へと向かう。

現地取材●内田暁

【動画】錦織とフォンセカが激突した「アリゾナ・テニス・クラシック」準決勝ハイライト

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