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海外テニス

テニス統括団体への訴訟で物議を醸している選手協会。ジョコビッチは「賛成しない部分もある」と距離置く<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.03.22

過密なツアー日程や強制的なランキング制度を理由にテニス統括団体を提訴したPTPA。しかしジョコビッチは、その訴訟内容にいくつか同意できない点があるという。(C)Getty Images

過密なツアー日程や強制的なランキング制度を理由にテニス統括団体を提訴したPTPA。しかしジョコビッチは、その訴訟内容にいくつか同意できない点があるという。(C)Getty Images

 男子テニス元世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現5位)らが設立したPTPA(プロテニス選手協会)は現地3月18日、反競争的行為や選手に対する組織的搾取を理由にATP(男子プロテニス協会)、WTA(女子テニス協会)、ITF(国際テニス連盟)、ITIA(国際テニス・インテグリティー・エージェンシー/不正監視機関)らテニスの主要統括団体を提訴した。

 訴訟には、2022年ウインブルドン男子シングルス準優勝のニック・キリオス(オーストラリア/同892位)ら現役選手と元選手の計12名が支持。訴状では、持続不可能なツアースケジュールや、特定のトーナメントへ出場を強制するランキング制度など、選手の福利厚生を抑圧しているとの主張がなされている。

 ただジョコビッチは現地20日、現在開催されているテニスツアー「マイアミ・オープン」(ATP1000)の記者会見に出席し、PTPAによる各統括団体への法的措置から距離を置く姿勢を示した。訴訟内容にいくつか同意できない点があるとして次のように語っている。
 
「これは典型的な訴訟で、弁護士同士がやり取りするような状況だ。率直に言うと、訴状には賛成する部分もあれば、賛成しない部分もある。いくつかの表現はかなり強いようにも感じる」

 また、訴状の中に名前が挙がった12人のリストにも入っていないジョコビッチ。今回の法的措置から自分の名前を外す理由は、自身が中心になるのを避け、他のトップ選手に声を上げることを促すためだという。

「他の選手たちにステップアップしてほしいから、僕は署名する必要はないと感じた。僕はテニスの政治にとても積極的に関わってきた。まだ根本的な変化が必要だと感じている。PTPAを含めて全ての統括団体が団結し、これらの問題を解決してくれることを心から願っている」

 なお、今大会に第2シードで臨んでいるカルロス・アルカラス(スペイン/同3位)は、現地20日の記者会見でこの問題について言及しており、「賛成できることもあるし、賛成できないこともある。ただ、今回の問題に関しては支持しない」などコメントを残していた。

構成●スマッシュ編集部

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