専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
レッスン

大躍進中の伊藤あおいが両手バックの強打を伝授。体重を乗せ、面を少し上向けてダウンザラインへ!【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.04.09

両手バックの強打は、右足をスクエアに踏み込んで体重を乗せることが大事(4コマ目)。そして面を少し上向けると(5~6)、ダウンザラインに持っていきやすいと伊藤あおい選手は語る。写真:THE DIGEST写真部

両手バックの強打は、右足をスクエアに踏み込んで体重を乗せることが大事(4コマ目)。そして面を少し上向けると(5~6)、ダウンザラインに持っていきやすいと伊藤あおい選手は語る。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は変幻自在のショットで大ブレーク中、世界ランク104位までジャンプアップしている伊藤あおい選手の2回目だ。武器の1つである、両手バックのダウンザラインへの強打について教えてもらった。

  *  *  *

 バックハンドは私の中では攻めのショットです。フォアに比べると両手打ちのぶん威力が出るので、昔から好きですね。攻めるのはバックで、色々ペースを変えたりするのがフォアという感じで普段プレーしています。

 バックはあまりスピンをかけず、一定したフラット系でコースを打ち分けるのが得意です。クロスもストレートもいけますが、特にストレートですかね。フォアでペースを変えたのを、バックで早いタイミングで攻めるのが私のパターンです。

 この写真はストレートへの強打ですが、やはり常に前に向かっていくことを意識しています。オープンスタンスではなく、右足を左足の前に踏み込むスクエアスタンスが私のこだわりです(3コマ目)。踏み込んだ前足にそのまま体重を乗っけて(4コマ目)、フラット気味に厚くダウンザラインに叩きます(5コマ目)。

 同時に、立ち位置はなるべく前、ベースライン付近を目安にすると、早いテンポでライジング気味に捉えられます。
 
 コースのコントロールは、まず身体ごとぶつかっていくのが大事なポイントです。手でラケットを操作するのではなく、ライジングで前に入ったら身体ごと打ちたい方向に押していきます。そしていいショットだったらそのままネットに行き、無理なら後ろに戻ります。

 あと、私は打球後に面が割とオープンになるという特徴があるんです。普通は面を下に向けて持ち上げる人が多いですが、私はなぜか上を向きます(6コマ目)。クロスよりストレートに打つ時にそうなるので、これはコツと言えるかもしれません。

 私のバックはほぼ無回転ですが、若干スライスも入っている感じで、それで面を上向けて押し出していくとストレートに流しやすいのだと思います。身体の回転はあまり使わず、相手の球威を利用して打っていることも、関係しているかもしれません。

【プロフィール】伊藤あおい/いとうあおい
2004年5月21日、愛知県生まれ。167cm、右利き。19年全国中学優勝、21年高校総体準優勝の実績を残し、22年プロ転向。フォアのスライスやドロップショットなど、緩急をつけた奇想天外な組み立てを得意にする。昨年のジャパンオープンで4強入りし、今年はWTA1000で3大会本戦入りするなどツアーの常連に成長! BJK杯日本代表入りも果たしている。現在世界ランク104位、国内2位。SBCメディカルグループ所属。

構成●スマッシュ編集部
取材協力●JWT50
※『スマッシュ』2023年10月号より再編集

【連続写真】ダウンザラインに強打した伊藤あおいの両手バックハンド『30コマの超分解写真』

【関連記事】大ブレーク中の伊藤あおいが代名詞のフォアスラを伝授! 面を切らずに押し込むのが伸びを生む鍵【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

【関連記事】体重を乗せ、打点を高く取り、最後まで振り切る! 佐藤南帆が考える両手バックの強打の3カ条【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号