女子テニスツアーのWTA1000シリーズ「イタリア国際」（５月６日～18日／イタリア・ローマ／クレーコート）は現地12日に大会７日目を迎え、シングルス４回戦に元世界ランキング１位の大坂なおみ（現48位）が登場。ノーシードのペイトン・スターンズ（アメリカ／同42位）に4-6、6-3、6-7 (4)とフルセットの激闘の末に敗れ、ベスト８進出はならなかった。

　前々週に出場した下部大会「サン・マロ・オープン35」（WTA125）を制し、出産後初の公式戦優勝とクレー初優勝を手にしていた27歳の大坂。今大会も勢いそのままにサラ・エラーニ（イタリア／元５位／現177位）、ラッキールーザー（欠場者の発生により予選敗者が本戦に繰り上がる措置）のビクトリア・ゴルビッチ（スイス／同87位）、マリー・ボウズコワ（チェコ／同53位）の実力者３人に勝利して16強入りを果たしていた。

　大坂の４回戦の相手は、３回戦で第５シードのマディソン・キーズ（アメリカ／同６位）を下して勝ち上がってきた23歳のスターンズ。今がキャリアハイのランキングで、前週の「ムチュア・マドリード・オープン」（WTA1000）でもベスト16に進出している成長著しい23歳だ。
  　試合は大坂が第３ゲームで先にサービスダウンを喫す苦しい展開。スターンズのサービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲームでブレークバックのチャンスを迎えるも生かせず、第１セットを落としてしまう。

　それでも大坂は諦めない。第２セットではファーストサービスのポイント獲得率で９割近い数字を叩き出し、得意のサービスでも７本のエースを記録。拮抗した展開の中で迎えた第８ゲームでワンチャンスをものにし、次のゲームをキープしてセットオールに持ち込んだ。

　ファイナルセットは両者一歩も譲らないシーソーゲームとなり、各々２度のブレークを獲得。第９ゲームでは大坂が５本のブレークポイントを握るも取り切れず、勝負の行方はタイブレークへと委ねられる。ここでは途中4-2とリードした大坂だったが、そこから痛恨の５連続失点を喫し、２時間41分で力尽きた。

　この結果「サン・マロ・オープン」から続いていたマッチ連勝記録が８でストップした大坂。それでも苦手意識を持っていたクレーで勝利を重ねられたのは今後の大きな自信になったはずだ。クレーシーズンの締めくくりとなる次戦の四大大会「全仏オープン」（５月25日～６月８日）での活躍も大いに期待したい。

文●中村光佑

【動画】大坂VSスターンズの「イタリア国際」シングルス４回戦ハイライト

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