男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズ「イタリア国際」(5月7日~18日/イタリア・ローマ/クレーコート)は大会最終日の現地18日にシングルス決勝を実施。第3シードで世界ランキング3位のカルロス・アルカラス(スペイン/22歳)が、第1シードで同1位のヤニック・シナー(イタリア/23歳)を7-6(5)、 6-1で下し、同大会初優勝並びにツアー19勝目を飾った。
宿命のライバルとしてしのぎを削ってきた両者が顔を合わせるのは今回が11度目で、過去の対戦成績はアルカラスが6勝4敗とリード。昨シーズンは直近である10月の「中国オープン」(ATP500)決勝を含め3度対峙したが、いずれもアルカラスが勝利していた。
ちなみにシナーは上記の中国オープン決勝以降、ツアーでは負けなしの26連勝中。シナーが連勝記録を伸ばすのか、それともアルカラスがその勢いを止めるのか、ファンからも注目を集める一戦となった。
試合は立ち上がりから緊迫の攻防が繰り広げられた。ストローク戦ではアルカラスが軌道の高いフォアハンドで攻め立てれば、負けじとシナーも要所を締めるプレーで食らいつき、第1セットは互いにブレークのないままタイブレークへと突入する。ここでは第12ゲームで2本のセットポイントを凌いだアルカラスが最初の3ポイントを連取するなど優位に立ち、1ミニブレークのリードを守り切って1時間を超える大接戦の末に1セットアップとした。
第2セットは一転してアルカラスの独壇場となる。持ち前のディフェンス力と多彩なショットが光り、ゾーンに入ったかのようにポイントを量産。第1ゲームから怒涛の5ゲーム連取に成功し、1時間43分で試合を締めた。
対シナー4連勝を飾り、四大大会に次ぐグレードのマスターズ1000シリーズでのタイトル数を7に伸ばしたアルカラス。試合後のインタビューでは、今回のローマでドーピング違反による約3カ月の出場停止から実戦に復帰したシナーの強さを称えつつ、優勝の喜びをこう口にした。
「まず初めに、ヤニックが素晴らしいレベルに戻ってきたのを見ることができて本当にうれしい。3カ月ぶりの復帰でマスターズ1000大会の決勝進出なんて、正直信じられないことだ。心から彼を祝福したい」
「初めてのローマ優勝で本当にうれしい。今日の試合に向けてのメンタル面での準備には満足しているし、戦術的にも、終始かなり良いプレーができたと思う。アップダウンも特になく、常に高いレベルを維持できたから、自分の全てのプレーに誇りを持っている」
一方敗れたシナーは惜しくも復帰戦優勝はならず。それでも試合後には「全体的に通して見れば、今大会のプレー内容にはすごく満足している。こういう結果が出たのは、自分にとってもチームにとっても本当に意味のあること」と前向きに大会を総括した。
文●中村光佑
【動画】アルカラスVSシナーの「イタリア国際」男子シングルス決勝ハイライト
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ちなみにシナーは上記の中国オープン決勝以降、ツアーでは負けなしの26連勝中。シナーが連勝記録を伸ばすのか、それともアルカラスがその勢いを止めるのか、ファンからも注目を集める一戦となった。
試合は立ち上がりから緊迫の攻防が繰り広げられた。ストローク戦ではアルカラスが軌道の高いフォアハンドで攻め立てれば、負けじとシナーも要所を締めるプレーで食らいつき、第1セットは互いにブレークのないままタイブレークへと突入する。ここでは第12ゲームで2本のセットポイントを凌いだアルカラスが最初の3ポイントを連取するなど優位に立ち、1ミニブレークのリードを守り切って1時間を超える大接戦の末に1セットアップとした。
第2セットは一転してアルカラスの独壇場となる。持ち前のディフェンス力と多彩なショットが光り、ゾーンに入ったかのようにポイントを量産。第1ゲームから怒涛の5ゲーム連取に成功し、1時間43分で試合を締めた。
対シナー4連勝を飾り、四大大会に次ぐグレードのマスターズ1000シリーズでのタイトル数を7に伸ばしたアルカラス。試合後のインタビューでは、今回のローマでドーピング違反による約3カ月の出場停止から実戦に復帰したシナーの強さを称えつつ、優勝の喜びをこう口にした。
「まず初めに、ヤニックが素晴らしいレベルに戻ってきたのを見ることができて本当にうれしい。3カ月ぶりの復帰でマスターズ1000大会の決勝進出なんて、正直信じられないことだ。心から彼を祝福したい」
「初めてのローマ優勝で本当にうれしい。今日の試合に向けてのメンタル面での準備には満足しているし、戦術的にも、終始かなり良いプレーができたと思う。アップダウンも特になく、常に高いレベルを維持できたから、自分の全てのプレーに誇りを持っている」
一方敗れたシナーは惜しくも復帰戦優勝はならず。それでも試合後には「全体的に通して見れば、今大会のプレー内容にはすごく満足している。こういう結果が出たのは、自分にとってもチームにとっても本当に意味のあること」と前向きに大会を総括した。
文●中村光佑
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