国内テニス

世界への登竜門「大東建託OP/富山W15」で18歳の木下晴結が準優勝。初タイトルには一歩届かず<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.05.19

写真左=シングルス優勝のリー(左)と準優勝の木下晴結(右)。写真右上=18歳の木下は初タイトルならず。写真右下=同じく18歳の野口紗枝がベスト4と健闘。写真提供:Square Plus

 国際テニス連盟が公認する女子テニスのITFツアー「大東建託オープン2025 supported by Square Plus 富山大会」(5月13日~18日/ハードコート/W15)が立山町・常願寺川公園テニスコートで開催。18日に行なわれたシングルス決勝に第2シードの18歳、木下晴結(世界ランク576位)が臨んだが、第1シードのキャロル ヤン スー・リー(アメリカ/557位)に6-3、1-6、3-6の逆転で敗れ、タイトルには一歩届かなかった。

 ITFツアーはWTAツアーの下部ツアーに当たり、その中でもW15大会は一番低いグレードとあって、世界を目指す若手の登竜門的な位置付けとなっている。この「大東建託オープン」は、杉山愛、中村藍子、森上亜希子各氏ら日本女子のレジェンドたちが運営する一般社団法人「Square Plus」が主催する大会。同法人はジュニアや若手選手を世界レベルへ押し上げるためのサポート活動を行なっており、今回の富山を皮切りに福井、大阪、札幌でW15の大東建託オープンを計5大会主催する予定だ。

 そうした理念を持つ大会で、4月にプロ転向したばかりの木下が決勝まで進んだ。木下は23年全米オープンジュニアのダブルスで準優勝するなど、日本の未来を担うホープの1人。過去に一般のITFツアーでは2度決勝に進んでいるがいずれも準優勝で、3度目の正直で初タイトルを目指した。

 決勝は一進一退の攻防に。第1セットは先にサービスダウンして1-3とされた木下だが、そこから怒涛の反撃に転じ、5ゲーム連取で木下が先取。逆に第2セットは1-1からリーが5ゲーム連取でセットを奪い返し、両者譲らない。
 
 第3セットは、第2セットからの勢いを引き継いだリーが第2ゲームでブレークして一歩リード。そこからは木下も踏ん張り、自身のサービスを全てキープして追いすがったが、ブレークバックのチャンスは訪れず、3-6で振り切られた。試合時間は2時間2分。

 ITF初優勝は叶わなかった木下だが、準決勝までは安定したプレーで全てストレート勝ちしており、今季2度目の決勝進出という結果を見ても、着実に力を付けていることがうかがえる。また今大会では、昨年の全日本ジュニア女王でプロ1年目の18歳、野口紗枝が予選を勝ち上がってベスト4入りし、木下と共に可能性を感じさせてくれた。

 なお、木下とリーは前々日に行なわれたダブルス決勝でも対戦しており、リーとウィ・フィウォン(韓国)のペアが7-6(5)、6-2で木下/小林ほの香に勝利。リーが2冠を獲得している。

◆シングルス決勝結果
〇キャロル ヤン スー・リー(アメリカ)[1] 3-6 6-1 6-3 木下晴結(ミキハウス)[2]●

◆ダブルス決勝結果
〇キャロル ヤング スー・リー/ウィ・フィウォン(アメリカ/韓国) 7-6(5) 6-2 木下晴結/小林ほの香(ミキハウス/橋本総業)[3]●

※[ ]内の数字はシード順位

構成●スマッシュ編集部

【画像】木下晴結はじめ迫力のプレーを厳選フォトで紹介!/2024「全日本テニス選手権99th」第5日

【関連記事】福岡国際女子テニス、日本勢ではケガからの復活を期す清水綾乃が4強入り。ダブルスは伊藤あおい/荒川晴菜が準優勝<SMASH>

【関連記事】内島萌夏がカンガルーカップ初優勝! 4月のスペインに続きハイレベルなITF「W100」大会を制す!!<SMASH>