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海外テニス

「私は危険を察知して彼女を助けることができる」大坂なおみのコーチが全仏オープン開幕を前に手応え語る<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.05.23

大坂なおみ(左)が苦手とする「全仏オープン」を前に、コーチのムラトグル氏(右)は確かな手応えを感じているようだ。(C)Getty Images

大坂なおみ(左)が苦手とする「全仏オープン」を前に、コーチのムラトグル氏(右)は確かな手応えを感じているようだ。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「全仏オープン」の開幕を前に、大坂なおみ(世界ランキング49位)のコーチを務める名将パトリック・ムラトグル氏(フランス/54歳)が、海外メディア『France 24』の取材に応じた。元女王がメンタルに不調を来したのは過去の話だと語り、もし再発した場合にもうまく対応する準備ができていると自信を見せている。

 グランドスラム4度優勝を誇る大坂は、2022年の「東レ パン パシフィック オープンテニス」を最後にコートから離れ、2023年7月に第一子を出産。昨季開幕からカムバックを果たしたが、以後は腹部の慢性的なケガに苦しんできた。

 今季も、初戦の「オークランド・オープン」で決勝進出するも、ケガのため棄権。続く「全豪オープン」も3回戦途中でリタイアしていた。だが、昨年9月からコーチとなったムラトグル氏は、確かな手応えを口にしている。

「トレーニングを始めて以来、彼女はケガに悩まされてきた。8カ月のうち5カ月はケガで、常に中断と再開を繰り返していたが、彼女はどんどん良いプレーをしている。元世界ランキング1位で、4つのグランドスラム優勝経験を持つ選手が、少なくとも以前と同じレベルのパフォーマンスを発揮するために復帰するのは当然のこと。

 問題は、以前よりもはるかに低い状態からのスタートだということだ。長い休養期間があった。体力的にも大変な努力が必要だった。彼女を元の状態に戻すには、多大な努力が求められた。最近は状況が改善してきていると思う」
 
 その言葉通り、クレーシーズンに入ると、「ムチュア・マドリード・オープン」で初戦敗退したものの、直後に出場した下部大会「サン・マロ・オープン35」(WTA125)を制し、出産後初の公式戦優勝とクレー初優勝を果たす。続く「イタリア国際」では16強入りするなど、取り組んできた強化を試合のパフォーマンスに結びつけた。

 ケガや体力的な課題を克服しつつある大坂だが、メンタルヘルスの問題を抱えてきたことも2021年以降たびたび公にしていた。ムラトグル氏は、27歳の精神面についても気を配り、対処法を準備している。

「(メンタルの問題は)もう過去のことだが、また起こるかもしれない。重要なのは、彼女を完全に理解することだ。なぜなら、私は危険を察知し、彼女を助けることができるから。それが私の最初のステップだ。つまり、どんな選手なのかを正確に把握し、選手を隅々まで理解すること。そのためには、多くの時間を費やし、様々な状況で観察することで、選手がどこから来たのか、どのような経歴を持っているのか、どのような家族を持っているのかを理解することが必要だ。これらの要素を全て把握すれば、選手がどんな人間で、どんな状況でどう感じているのかが見えてくる。そこでようやく、本当の意味で支えることができるんだ」

 全仏オープン2回戦を前に電撃的に棄権を表明し、メンタル面の不調を公表してから4年。ムラトグル氏とタッグを組んだ大坂が、パリで快進撃のサプライズを起こすかもしれない。

構成●スマッシュ編集部

【画像】大坂にとってクレー大会初優勝となった「サン・マロ・オープン35」喜びの投稿

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