いよいよ開幕した今シーズン2つ目のテニス四大大会「全仏オープン」(5月25日~6月8日/フランス・パリ/クレーコート)。大会初日の現地25日には、昨秋惜しまれながら現役を引退した男子テニス元世界ランキング1位のラファエル・ナダル氏(スペイン/38歳)の偉大なる功績を称えるセレモニーが挙行された。式典にはナダル氏と共に男子ツアーを牽引したロジャー・フェデラー氏(スイス)、アンディ・マリー氏(イギリス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)も登場。“ビッグ4”が一堂に会し、会場からは大歓声が巻き起こった。
現役時代に四大大会のシングルスで男子選手歴代2位の22勝を挙げたナダル氏。うち14勝は全仏オープンで手にしており、もちろんこれは同大会最多の記録である。通算でも112勝4敗と驚異的な戦績を残しており、「ローランギャロス(全仏)にもっと愛された男」と言っても過言ではない。
引退から約半年、「赤土の王者」と称されたレジェンドが幾多の栄光を手にしたパリの地に感動の帰還を遂げた。センターコートの“フィリップ・シャトリエ”で開催されたセレモニーでは、ナダル氏の名場面を収めたビデオが会場のスクリーンに流され、力強いフォアハンドや勝利の雄叫び、優勝トロフィー掲揚など、数々の印象的な瞬間がよみがえった。
そして冒頭の通り同セレモニーの終盤には、ナダル氏の偉大なライバルであるフェデラー氏、マリー氏、ジョコビッチも登場。3人からのメッセージビデオもサプライズで上映され、各々からナダル氏に祝福の言葉が送られた。
その後のスピーチでナダル氏は心に深く刻まれた“特別な舞台”への感謝を、涙ながらにこう口にした。
「皆さん、こんばんは。ここでこうして話すのはとても難しい瞬間です。というのもこのコートで20年間プレーしてきた後に、何から話せばいいのかわからないのです。楽しみや苦しみ、勝利や敗戦...ここでプレーする機会を得られたことにただただ感謝しています。
フランステニス連盟のジル・モレトン会長、トーナメントディレクターのアメリー・モレスモ氏、そしてローランギャロスの全てのスタッフの皆さんに、私のキャリアで最も重要なこのコートでこういう場を設けていただき、心から感謝しています」
「この20年間で本当に様々なことを経験しました。アンディ、ノバク、ロジャーをはじめとする数々のライバルたちは、肉体的にも精神的にも私を限界まで引き上げてくれました。これらの長きにわたるライバル関係があったからこそ、日々努力し続ける刺激になりました。
ローランギャロスは特別な場所です。それは僕自身の歴史の一部だから、というだけでなく、この舞台を支える全てのスタッフがいつも笑顔で大会を唯一無二のものにしてくれていたからです」
14のトロフィーと112の勝利。赤土の王者がパリで築き上げた功績は、数字だけでは語り尽くせない価値を持っている。ラファエル・ナダルとローランギャロス―その絆は永遠に色あせることはない。
文●中村光佑
【動画】ナダル氏の功績を称えるセレモニーのハイライト!
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現役時代に四大大会のシングルスで男子選手歴代2位の22勝を挙げたナダル氏。うち14勝は全仏オープンで手にしており、もちろんこれは同大会最多の記録である。通算でも112勝4敗と驚異的な戦績を残しており、「ローランギャロス(全仏)にもっと愛された男」と言っても過言ではない。
引退から約半年、「赤土の王者」と称されたレジェンドが幾多の栄光を手にしたパリの地に感動の帰還を遂げた。センターコートの“フィリップ・シャトリエ”で開催されたセレモニーでは、ナダル氏の名場面を収めたビデオが会場のスクリーンに流され、力強いフォアハンドや勝利の雄叫び、優勝トロフィー掲揚など、数々の印象的な瞬間がよみがえった。
そして冒頭の通り同セレモニーの終盤には、ナダル氏の偉大なライバルであるフェデラー氏、マリー氏、ジョコビッチも登場。3人からのメッセージビデオもサプライズで上映され、各々からナダル氏に祝福の言葉が送られた。
その後のスピーチでナダル氏は心に深く刻まれた“特別な舞台”への感謝を、涙ながらにこう口にした。
「皆さん、こんばんは。ここでこうして話すのはとても難しい瞬間です。というのもこのコートで20年間プレーしてきた後に、何から話せばいいのかわからないのです。楽しみや苦しみ、勝利や敗戦...ここでプレーする機会を得られたことにただただ感謝しています。
フランステニス連盟のジル・モレトン会長、トーナメントディレクターのアメリー・モレスモ氏、そしてローランギャロスの全てのスタッフの皆さんに、私のキャリアで最も重要なこのコートでこういう場を設けていただき、心から感謝しています」
「この20年間で本当に様々なことを経験しました。アンディ、ノバク、ロジャーをはじめとする数々のライバルたちは、肉体的にも精神的にも私を限界まで引き上げてくれました。これらの長きにわたるライバル関係があったからこそ、日々努力し続ける刺激になりました。
ローランギャロスは特別な場所です。それは僕自身の歴史の一部だから、というだけでなく、この舞台を支える全てのスタッフがいつも笑顔で大会を唯一無二のものにしてくれていたからです」
14のトロフィーと112の勝利。赤土の王者がパリで築き上げた功績は、数字だけでは語り尽くせない価値を持っている。ラファエル・ナダルとローランギャロス―その絆は永遠に色あせることはない。
文●中村光佑
【動画】ナダル氏の功績を称えるセレモニーのハイライト!
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