テニス界を約20年にわたって牽引し、昨年引退したラファエル・ナダル(スペイン)が、改めてその偉大さを称えられた。
4月22日、スペイン・マドリードで行なわれた「ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード2025」で、ナダルは「スポーティング・アイコン賞(Sporting Icon Award)」を受賞。これは長年にわたりスポーツ界や社会に影響を与えた人物に贈られる特別な賞であり、毎年必ず選ばれるわけではない。特に相応しい功績を残した人物にのみに授与される、名誉ある賞だ。
現役のトップアスリートやレジェンドが出席した式典で、ナダルは「皆さんの多くは子どもの頃から私にインスピレーションを与えてくれたスポーツ選手であり、今日皆さんの前で話す機会を得られたことは、本当に特別なことです」と述べると、引退後の心境についても率直な言葉で詳しく語った。
「本当のところ、テニスが恋しいとは全く思っていません。でも、テニスに飽きたからとか、テニスと格闘することに飽きたからとか、そういうことではありません。私は幸せな気持ちでキャリアを終えました。もし可能であれば現役を続けていたでしょう。なぜなら自分がしていることを愛していたから。
テニスは私の情熱で、生涯ずっとそうでした。ただ、肉体的にもう無理だと気付いた時、その章を閉じようとする。だから私はキャリアを閉じることにしたのです」
テニスへの愛情を丁寧に表現したレジェンドは、「引退を決めるまで時間がかかったのは、自分にとって正しい判断かどうか確信を得るためだった」と、決断までの日々を振り返った。そうして、存分にプレーできるまで身体が回復しないとわかった時に決意を固めたという。さらに思いを続けた。
「だからこそ、テニスを恋しいとは思いません。全力を尽くし、これ以上は身体が無理だと確信していたから、平穏な気持ちで引退できたのです」
「ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード」とは、2000年に創設された国際的なスポーツ賞で、「スポーツ界のアカデミー賞」とも呼ばれる。テニス界との関わりも深く、ロジャー・フェデラー(スイス)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)は通算5度も「年間最優秀選手賞」を受賞。
ナダルもこれまでに同部門で2回選ばれた(11年、21年)他、「年間最優秀ブレークスルー賞」(06年)と「年間最優秀カムバック賞」(14年)、さらに自身の財団と共に「スポーツ貢献賞」(24年)にも輝いている。また日本人選手としては、大坂なおみが「年間最優秀ブレークスルー賞」(19年)と「年間最優秀女子選手賞」(21年)を受賞した。
今年の式典には、ジョコビッチやカルロス・アルカラス(スペイン)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)らも出席。ジョコビッチが今年の「年間最優秀選手賞」受賞者を発表するなど、華やかなものとなった。
ナダルの闘志あふれるプレースタイルと誠実な姿勢は、多くのタイトルを獲得しただけでなく、スポーツ界や一般社会にもインスピレーションを与え続けてきた。度重なるケガにも屈することなく積み重ねたその功績は、これからも語り継がれ、偉大なアイコンとしてスポーツ界に刻まれるだろう。
構成●スマッシュ編集部
【動画】ナダル、アルカラス、ジョコビッチら、ローレウス賞の式典に出席したテニス選手たち
【画像】あの名シーンも!史上屈指のライバル、フェデラー&ナダルの"若かりし頃"ギャラリー
【関連記事】ジョコビッチが5度目のローレウス最優秀選手賞を受賞!「信じられないような12カ月を過ごせた」<SMASH>
4月22日、スペイン・マドリードで行なわれた「ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード2025」で、ナダルは「スポーティング・アイコン賞(Sporting Icon Award)」を受賞。これは長年にわたりスポーツ界や社会に影響を与えた人物に贈られる特別な賞であり、毎年必ず選ばれるわけではない。特に相応しい功績を残した人物にのみに授与される、名誉ある賞だ。
現役のトップアスリートやレジェンドが出席した式典で、ナダルは「皆さんの多くは子どもの頃から私にインスピレーションを与えてくれたスポーツ選手であり、今日皆さんの前で話す機会を得られたことは、本当に特別なことです」と述べると、引退後の心境についても率直な言葉で詳しく語った。
「本当のところ、テニスが恋しいとは全く思っていません。でも、テニスに飽きたからとか、テニスと格闘することに飽きたからとか、そういうことではありません。私は幸せな気持ちでキャリアを終えました。もし可能であれば現役を続けていたでしょう。なぜなら自分がしていることを愛していたから。
テニスは私の情熱で、生涯ずっとそうでした。ただ、肉体的にもう無理だと気付いた時、その章を閉じようとする。だから私はキャリアを閉じることにしたのです」
テニスへの愛情を丁寧に表現したレジェンドは、「引退を決めるまで時間がかかったのは、自分にとって正しい判断かどうか確信を得るためだった」と、決断までの日々を振り返った。そうして、存分にプレーできるまで身体が回復しないとわかった時に決意を固めたという。さらに思いを続けた。
「だからこそ、テニスを恋しいとは思いません。全力を尽くし、これ以上は身体が無理だと確信していたから、平穏な気持ちで引退できたのです」
「ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード」とは、2000年に創設された国際的なスポーツ賞で、「スポーツ界のアカデミー賞」とも呼ばれる。テニス界との関わりも深く、ロジャー・フェデラー(スイス)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)は通算5度も「年間最優秀選手賞」を受賞。
ナダルもこれまでに同部門で2回選ばれた(11年、21年)他、「年間最優秀ブレークスルー賞」(06年)と「年間最優秀カムバック賞」(14年)、さらに自身の財団と共に「スポーツ貢献賞」(24年)にも輝いている。また日本人選手としては、大坂なおみが「年間最優秀ブレークスルー賞」(19年)と「年間最優秀女子選手賞」(21年)を受賞した。
今年の式典には、ジョコビッチやカルロス・アルカラス(スペイン)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)らも出席。ジョコビッチが今年の「年間最優秀選手賞」受賞者を発表するなど、華やかなものとなった。
ナダルの闘志あふれるプレースタイルと誠実な姿勢は、多くのタイトルを獲得しただけでなく、スポーツ界や一般社会にもインスピレーションを与え続けてきた。度重なるケガにも屈することなく積み重ねたその功績は、これからも語り継がれ、偉大なアイコンとしてスポーツ界に刻まれるだろう。
構成●スマッシュ編集部
【動画】ナダル、アルカラス、ジョコビッチら、ローレウス賞の式典に出席したテニス選手たち
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