現在開催中のテニス四大大会「全仏オープン」は現地5月29日に男子シングルス2回戦が行なわれ、センターコート第2試合に今大会限りでの現役引退を表明した元世界ランキング7位のリシャール・ガスケ(フランス/現166位)が登場。23歳の世界王者ヤニック・シナー(イタリア/同1位)と対戦したが、3-6、0-6、4-6のストレートで敗れ、現役ラストマッチを終えた。
奪ったゲーム数はわずか7。それでも38歳の想いを込めた全力プレーに、母国ファンも大歓声で応えた。中でもガスケの代名詞である華麗な片手バックハンドのウィナーが決まると、会場のボルテージは最高潮に達した。
試合後にはガスケの偉大なキャリアを称える特別セレモニーを挙行。22度目の出場となった自国開催の四大大会で、そして名誉あるセンターコート“フィリップシャトリエ”で、最後に世界1位の選手と戦えたことが本当に幸せだったと38歳の名手は振り返った。
「このフィリップシャトリエで世界ランキング1位の選手と戦えるなんて、夢にも思っていませんでした。自分にとって完璧な終わり方です。もちろん勝ちたかったですが、今の僕がシナーに勝つのは難しいです。彼は世界一のプレーヤーですから」
四大大会で3度のベスト4進出、ツアー通算16勝、さらには年間成績の上位8名だけが出場できるシーズン最終戦「ATPファイナルズ」にも2度出場するなど数々の輝かしい功績を残したガスケ。その類まれな才能は幼少期から注目され、9歳の時にはフランスのテニス雑誌『Tennis Magazine』の表紙を飾ったこともあった。さらには15歳でATPツアー史上最年少での勝利をマークし、その記録は未だ破られていない。
およそ23年にわたってトップレベルで戦い続けてきたからこそ、「今は引退するのが少し変な感じがします」としつつ、「テニス人生にもいつかは終わりが来ます」と清々しく語る。その後、改めて自身のキャリアを感慨深げにこう回顧した。
「私はこれまでずっと、大勢の観客の前でプレーし、常にベストを尽くして戦ってきました。ローランギャロス(全仏オープン)や全米オープン、ウインブルドンといった素晴らしい舞台で偉大な選手たちと対戦できたのは、本当に素晴らしい経験でした。長い間、プロツアーでテニスができたことをとても幸運に思っています」
「若い頃からずっと、大舞台で戦うことが夢でした。だから、今日は感情的に区切りをつけられる日になりました。これからもずっと大切にしたい素晴らしい記憶ができました。それが何よりです。もちろん、もう一度やり直したい試合もありますし、勝ちたかったのに負けた試合もありました。それでも、私は素晴らしいキャリアを送ることができて、テニス選手として自分を全うできたと思います」
抜群のストローク力で世界中のファンを魅了したガスケがどんなセカンドキャリアを歩むのか。今後は「趣味として純粋にテニスを楽しみたい」と言うが、また何らかの形でツアーに携わってくれることを期待したいものである。
文●中村光佑
【画像】ガスケ他、2025全仏オープンを戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
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奪ったゲーム数はわずか7。それでも38歳の想いを込めた全力プレーに、母国ファンも大歓声で応えた。中でもガスケの代名詞である華麗な片手バックハンドのウィナーが決まると、会場のボルテージは最高潮に達した。
試合後にはガスケの偉大なキャリアを称える特別セレモニーを挙行。22度目の出場となった自国開催の四大大会で、そして名誉あるセンターコート“フィリップシャトリエ”で、最後に世界1位の選手と戦えたことが本当に幸せだったと38歳の名手は振り返った。
「このフィリップシャトリエで世界ランキング1位の選手と戦えるなんて、夢にも思っていませんでした。自分にとって完璧な終わり方です。もちろん勝ちたかったですが、今の僕がシナーに勝つのは難しいです。彼は世界一のプレーヤーですから」
四大大会で3度のベスト4進出、ツアー通算16勝、さらには年間成績の上位8名だけが出場できるシーズン最終戦「ATPファイナルズ」にも2度出場するなど数々の輝かしい功績を残したガスケ。その類まれな才能は幼少期から注目され、9歳の時にはフランスのテニス雑誌『Tennis Magazine』の表紙を飾ったこともあった。さらには15歳でATPツアー史上最年少での勝利をマークし、その記録は未だ破られていない。
およそ23年にわたってトップレベルで戦い続けてきたからこそ、「今は引退するのが少し変な感じがします」としつつ、「テニス人生にもいつかは終わりが来ます」と清々しく語る。その後、改めて自身のキャリアを感慨深げにこう回顧した。
「私はこれまでずっと、大勢の観客の前でプレーし、常にベストを尽くして戦ってきました。ローランギャロス(全仏オープン)や全米オープン、ウインブルドンといった素晴らしい舞台で偉大な選手たちと対戦できたのは、本当に素晴らしい経験でした。長い間、プロツアーでテニスができたことをとても幸運に思っています」
「若い頃からずっと、大舞台で戦うことが夢でした。だから、今日は感情的に区切りをつけられる日になりました。これからもずっと大切にしたい素晴らしい記憶ができました。それが何よりです。もちろん、もう一度やり直したい試合もありますし、勝ちたかったのに負けた試合もありました。それでも、私は素晴らしいキャリアを送ることができて、テニス選手として自分を全うできたと思います」
抜群のストローク力で世界中のファンを魅了したガスケがどんなセカンドキャリアを歩むのか。今後は「趣味として純粋にテニスを楽しみたい」と言うが、また何らかの形でツアーに携わってくれることを期待したいものである。
文●中村光佑
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