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海外テニス

大坂なおみ、全仏OP初戦で元世界2位バドサに逆転負け。「何をしているんだろう...」と涙こらえきれず<SMASH>

中村光佑

2025.05.27

クレーシーズンで手応えをつかんでいた大坂だったが、全仏オープンでは無念の初戦敗退に終わった。(C)Getty Images

クレーシーズンで手応えをつかんでいた大坂だったが、全仏オープンでは無念の初戦敗退に終わった。(C)Getty Images

 テニス四大大会「全仏オープン」は現地5月26日に大会2日目を迎え、女子シングルス1回戦に元世界ランキング1位の大坂なおみ(現49位)が登場。第10シードで元2位のパウラ・バドサ(スペイン/同10位)と対戦したが、7-6(1)、1-6、4-6の逆転で敗れ、残念ながら2回戦進出はならなかった。

 クレーシーズンの大坂は4月下旬の「ムチュア・マドリード・オープン」(WTA1000)で初戦敗退を喫したものの、本戦ワイルドカード(主催者推薦)で出場した下部大会「サン・マロ・オープン35」(WTA125)を制し、出産後初の公式戦優勝とクレー初優勝をゲット。その直後に参戦したツアー大会「イタリア国際」(WTA1000)でもベスト16入りを果たしていた。

 27歳の大坂が全仏オープンに出場するのは2年連続8度目。1回戦で対峙したのはこれまでにツアー4勝を挙げ、2022年4月にキャリアハイの世界2位をマークした同い年のバドサだ。両者は今回が初対決となった。

 全身ピンクのウェアとユニークな髪飾りで登場した大坂は立ち上がりから得意のフォアハンドを起点にアグレッシブに攻めていったが、バドサも負けじと食らいつき、第10ゲームまでは一歩も譲らない展開。しかし5-5で迎えた第11ゲームでは大坂が2本のダブルフォールトを犯した上に、相手の鋭いリターンに手を焼き、均衡を破られてしまう。

 それでも直後の第12ゲームで大坂は吹っ切れたように強打を次々と決め、バドサのセットポイントも凌いで起死回生のブレークバック。これで勢いに乗った大坂はタイブレークで一気に主導権を握り、接戦の末に第1セットを先取した。
 
 続く第2セットは一転、大坂が集中力を維持できずに打ち急ぎのミスを連発。第1ゲームから5ゲームを連取され、あっさりとセットオールに持ち込まれる。

 運命のファイナルセット、大坂は気持ちを切り替え、再びバドサと互角の打ち合いを展開。しかし互いに1つずつブレークを取り合って迎えた第7ゲームで大坂がドライブボレーのミスから崩れ、痛いブレークを献上。直後の第8ゲームで大坂はブレークバックのチャンスを迎えるも生かせず、第10ゲームもキープされて2時間21分で無念の初戦敗退となった。

『ロイター通信』によると、大坂は失意の中で試合後の記者会見に応じ、「時間が経つにつれて、自分はもっとうまくやれるはずだと感じる。周りの人をがっかりさせるのが嫌い」と涙ながらにコメント。「私はここで一体何をしているんだろう...」とのスラング(俗語)も飛び出すと、その後も高ぶる感情を抑えられず、進行役の勧めで会見を一時退席したという。

 2分ほどして戻ってきた大坂は「この敗戦がどう自分を強くしてくれると思うか?」という質問に対し、「むしろそれはあなたが教えてくれるといいんだけど…よくわからないわ」と回答。それでも最後には「次の試合では、今日学んだことを生かせるようにしたい」とポジティブな言葉を絞り出し、何とか会見を締めくくった。

 苦手意識を持っていたクレーで手応えをつかみつつあった大坂にとっては非常に悔しい結果となってしまったが、この経験は必ずや今後の糧となるはずだ。次なる芝シーズンでの巻き返しを期待したい。

文●中村光佑

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