今年1月の全豪オープンを含めこれまでに3度四大大会シングルスの決勝に進出しながらも、いずれもあと一歩のところで戴冠を逃してきた男子テニス世界ランキング3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)。現在開催中の四大大会「全仏オープン」でも準々決勝で元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現6位)に6-4、3-6、2-6、4-6の逆転で敗れ、またも悲願達成はならなかった。
2020年の全米オープン決勝でドミニク・ティーム(オーストリア/元3位/昨年引退)に2セットアップから大逆転負けを喫したことが尾を引いている28歳のズベレフに、イギリステニス界のレジェンドであるティム・ヘンマン氏(元4位/50歳)が“激励の喝”を入れた。
現地6月5日に実施された女子シングルス準決勝の直前に海外スポーツチャンネル『TNT Sports』の生放送に出演したヘンマン氏は、ジョコビッチ戦の試合内容を振り返りつつ、次のように語った。
「ズベレフは本当にいいスタートを切って、早々にブレークを奪い、第1セットを支配した。その後はジョコビッチが流れを引き戻したが、ズベレフにはそこからもっと巻き返してほしかった。彼は四大大会のタイトルをどうしても取りたいという思いをたびたび口にしているが、その“闘志”や“勝ちたい”という渇望を、もっとファンに見せる必要があると思う。昨晩の彼のプレーはあまりに大人しかった」
さらにヘンマン氏は悲願達成を目指すズベレフに“必要なこと”をこう続けた。
「彼が素晴らしい選手だというのは間違いない。昨年の全仏オープンでも、その他の四大大会でも決勝まで進んだし、クレーでのマスターズ1000も制している。トップクラスの選手なのは確かだ。だがこういった大きなトーナメントで最も優れた選手たちと戦うには、“もう一段上のプレー”が求められる」
「彼は全力を尽くしていたとは思うけれど、もう少しファイティングスピリット(闘志)を見せて、もっと攻撃的に、自分から早いタイミングで打っていくようなプレーが必要だと思う。自分からギアを上げていかないといけないということだ。それが、彼がグランドスラムのタイトルを取るために必要なことだと私は思うけど、昨晩の彼のプレーはそうではなかった」
海外メディア『tennishead』によれば、1980年代のテニス界をリードした名選手ジョン・マッケンロー氏(アメリカ/元1位)の実弟であるパトリック・マッケンロー氏(アメリカ/元28位)も「ポジショニングが下がり過ぎていてひどいし、プレーが想像力に欠けている」とジョコビッチ戦におけるズベレフの戦術を痛烈に批判したというが、それはあくまでも若くから活躍してきたズベレフへの期待の表れであり、ヘンマン氏も同じ考えなのだろう。
ヤニック・シナー(イタリア/同1位)やカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)をはじめ続々と有望な若手が出てきている男子テニス界。年々競争が激化する中で“あと一歩”をどう乗り越えるか、ズベレフの真価が問われる。
文●中村光佑
【画像】ズベレフほか、2025全仏オープンを戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
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現地6月5日に実施された女子シングルス準決勝の直前に海外スポーツチャンネル『TNT Sports』の生放送に出演したヘンマン氏は、ジョコビッチ戦の試合内容を振り返りつつ、次のように語った。
「ズベレフは本当にいいスタートを切って、早々にブレークを奪い、第1セットを支配した。その後はジョコビッチが流れを引き戻したが、ズベレフにはそこからもっと巻き返してほしかった。彼は四大大会のタイトルをどうしても取りたいという思いをたびたび口にしているが、その“闘志”や“勝ちたい”という渇望を、もっとファンに見せる必要があると思う。昨晩の彼のプレーはあまりに大人しかった」
さらにヘンマン氏は悲願達成を目指すズベレフに“必要なこと”をこう続けた。
「彼が素晴らしい選手だというのは間違いない。昨年の全仏オープンでも、その他の四大大会でも決勝まで進んだし、クレーでのマスターズ1000も制している。トップクラスの選手なのは確かだ。だがこういった大きなトーナメントで最も優れた選手たちと戦うには、“もう一段上のプレー”が求められる」
「彼は全力を尽くしていたとは思うけれど、もう少しファイティングスピリット(闘志)を見せて、もっと攻撃的に、自分から早いタイミングで打っていくようなプレーが必要だと思う。自分からギアを上げていかないといけないということだ。それが、彼がグランドスラムのタイトルを取るために必要なことだと私は思うけど、昨晩の彼のプレーはそうではなかった」
海外メディア『tennishead』によれば、1980年代のテニス界をリードした名選手ジョン・マッケンロー氏(アメリカ/元1位)の実弟であるパトリック・マッケンロー氏(アメリカ/元28位)も「ポジショニングが下がり過ぎていてひどいし、プレーが想像力に欠けている」とジョコビッチ戦におけるズベレフの戦術を痛烈に批判したというが、それはあくまでも若くから活躍してきたズベレフへの期待の表れであり、ヘンマン氏も同じ考えなのだろう。
ヤニック・シナー(イタリア/同1位)やカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)をはじめ続々と有望な若手が出てきている男子テニス界。年々競争が激化する中で“あと一歩”をどう乗り越えるか、ズベレフの真価が問われる。
文●中村光佑
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