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【1日3分間のメンタル強化法 第42回】「変わりたい自分」は“アウトプット”で動き出す!<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.06.14

「変えること」と「変えないこと」。不易流行の考え方から、自分をアップデートしてみよう(※写真はイメージ)。(C)Getty Images

 テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。

 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。

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 選手たちに宿題を出してみました。「願望や本気の目標を実現させるために、今の自分のままでいいですか? もし"変える"が必要であるならば、何をどのように変えたいですか? 技術的なことだけでなく、人間的なこともテーマとして考えてください」

 すると50人の選手たちから一生懸命な回答が返ってきました。読み進めると多くの選手が"変わる"ことを真剣に考えています。本人が変わりたいと思ったら変わることができます。変わるとは「新しい自分との出会い」なのです。
 
 そこで今月のテーマ「不易」と「流行」について勉強しましょう。

『不易流行』とは、俳人の松尾芭蕉が「不易を知らざれば基立ちがたく、流行知らざれば風新たにならず」と記したことが始まりで、訳すと「物事には状況に応じて臨機応変に変えるべきもの(流行)と、決して変えてはならないもの(不易)がある」という意味であり、『不易と流行』は別のものではなく、根元では一つであると考える、とあります。

 そう考えると、人間には「長所と短所」があり、長所は磨き上げ自分の武器になるように大切に扱い、短所は努力を積み重ね改善する必要があります。しかし見方を変えれば、人間の長所は短所にもなり、短所は長所にもなります。そこで必要なことは選手自身が「本当の自分」を知ることだと思っています。

 さて、具体的に"変わる"ことの実践について考えてみましょう。まず「インプット」とは「読む・聞く・見る」によって「よし! やろう」と脳内世界が変わるだけです。大切なのは「アウトプット」です。「話す・実践する」によって「できた! 失敗した」と現実世界が変わります。インプットよりアウトプットを重視してください。

 個人的には「有言実行」がいいのでは? と思っています。他者に話すことで、自分への責任も発生しますが、応援する人たちも現れてきます。

 人生は死ぬまで勉強です。そして学んだことの証は変わることであると思っています。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2024年2月号から抜粋・再編集

【画像】強靭なメンタルを持つトッププロたちの練習の様子

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