専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
レッスン

【1日3分間のメンタル強化法 第39回】自分の間違いを認め、「寛容な心」を持って人と接しよう<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.04.29

仲間のミスを責めるより自分の至らなかった点を認めることで、お互いが素直になれる(※写真はイメージ)。(C)Getty Images

仲間のミスを責めるより自分の至らなかった点を認めることで、お互いが素直になれる(※写真はイメージ)。(C)Getty Images

 テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。

 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。

* * *

 私の友人に若い頃「けんか正一」と異名をとったM君がいます。純真で曲がったことが嫌いな人間で、よく口論をしていた記憶があります。その彼と最近生き方論について話す機会がありました。

 彼曰く「心配事や不安、人の悪口などは、心のエネルギーを下げ、感謝や良いことを思うと、プラスのエネルギーが湧いてくる。人はエネルギーが低いと腹が立ちやすくなり、高い時は包容力が生まれてくる」と話した上で「人を認める、家族を認める、そうすると自分が気楽に生きられるようになってきた」、また「腹が立ってきたら、まだまだ修行が足りんと思うようにしている」と優しい目をして語ってくれました。

「正義」から「寛容」へ、人は変わることができる。友人と会ってそう思いました。ところで皆さんは、こんな話を知っていますか?
 
 ある所に、ケンカが絶えない「けんか家」と、いつも家族が和やかに暮らす「平和家」がありました。ある日、けんか家の主人が平和家の老人に質問をします。

「わが家は毎日ケンカばかりなのに、お宅はなぜ平和に過ごせるのですか?」。すると平和家の老主人は「私の家は悪人ばかりが住んでいるから家が平和なのです。あなたの家は皆善人ばかり、だからケンカが絶えないのでしょう」

 これを聞いて、けんか家の主人は「善人ばかりだとケンカが絶えず、悪人ばかりだと平和だとは?」と頭を抱え込んでいると、平和家の孫が小学校から帰って来ました。「ただいま~」と玄関口を通る時、そこに置いてあった自転車にランドセルが当たりガチャン、運悪くその下にお爺さんが丹精を込めて育てた盆栽があり、植木鉢ごとバリッと割れてしまった。

 孫はその時「おじいちゃん、ごめーん。僕が悪かった」。おじいちゃんもすかさず「いやいや、わしが盆栽をそんな所へ置いといたのが悪かったのさ」。その家の嫁さんも顔を出して「私が自転車をもっと奥へ置いとけばよかったのです。私の置き方が悪かったのです」

 この会話を聞いて、けんか家の主人は「なるほど、これではケンカが起きないはず、私もこれから悪人になります」と言って帰って行った。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2023年11月号から抜粋・再編集

【画像】強靭なメンタルを持つトッププロたちの練習の様子

【関連記事】1日3分間のメンタル強化法 第38回、テニスにも役立つ“7つの基本”を心掛けて、自分らしさを出していこう<SMASH>

【関連記事】1日3分間のメンタル強化法 第37回、自分自身との“信頼の対話”が良いパフォーマンスを生む<SMASH>

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号