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アルカラスから混合複を誘われたラドゥカヌが心境を語る「彼は本当に素敵な人。インスピレーションを受けたい」<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.06.25

ツアーに台頭した当初から親しい関係が続いているというアルカラスとラドゥカヌ(※写真は昨年スペインで行なわれたBJK杯ファイナルズでのひとコマ)。(C)Getty Images

 今夏の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)で刷新される混合ダブルスの目玉ペアとして注目を集めているのが、2021年の全米女王エマ・ラドゥカヌ(イギリス/世界ランク38位)と、22年の全米王者カルロス・アルカラス(スペイン/同2位)の22歳タッグだ。イギリスのスポーツメディア『TNT Sports』でラドゥカヌがチーム結成について語っている。

 既報の通り、大会側から新方式の混合ダブルスについて聞いたアルカラスは、迷わずラドゥカヌをパートナーに"逆指名"。しかし、ラドゥカヌからは返事を保留にされていたようだ。これはラドゥカヌがコーチと話し合う必要があったためだが、彼女は「(アルカラス側に)気を抜かせないようにしておかないとね」と冗談めかして語っている。

 良好な関係を築いている2人の関係が深まったきっかけは、21年の全米オープンだった。アルカラスはグランドスラムで初めてベスト8に進出。ラドゥカヌは予選から勝ち上がり、決勝も含めて10試合連続のストレート勝ちで優勝した。イギリス女子選手として44年ぶりの四大大会制覇だった。

「彼がステフ(ステファノス・チチパス)を3回戦で破ったのを覚えている。あの試合はすごく大きな勝利だったし、彼にとってはブレークスルーの瞬間だった。一緒に勝ち上がっていけたのは本当にクールだったわ。大会中もずっと連絡を取り合っていたの。今もいい関係が続いている。彼は明らかに私を追い越していったけれど、それでもあの頃の関係が残っているのは素敵なことよ」
 
 ラドゥカヌはアルカラスから様々な刺激を受けているという。

「彼は本当に素敵な人。すごく幸せそうで、素晴らしい価値観を持っているし、一緒にいてとても前向きな気持ちになれる。テニスもうまいし、すごく良い選手ね。

 彼のプレーを見ると、いつも笑顔で試合を楽しんでいる。だからこそ、彼はああいうクレイジーなショットを打てるし、不利な場面からでもポイントを引っくり返して、信じられないようなショットを決められる。そういうのは好奇心から来ていると思う。

 男子の試合でああいう姿を見るのはすごく素晴らしいことだし、できる限りインスピレーションを受けたいと思っているわ」

 8月の全米オープンでの混合ダブルス共演を前に、まずは芝の大舞台での戦いが待っている。アルカラスが3連覇に挑むなか、ラドゥカヌは地元の声援を力に変え、存在感を示せるだろうか。

構成●スマッシュ編集部

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