開催中のテニス四大大会「ウインブルドン」男子シングルス4回戦で、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク6位)が勝利を収め、同大会で16度目の準々決勝進出を決めた。3回戦で自身2つ目となる“四大大会マッチ100勝”を達成したばかりの38歳は、アレックス・デミノー(オーストラリア/同11位)に第1セットを奪われる苦しい展開から、1-6、6-4、6-4、6-4の逆転勝利を収めた。
そしてこの日、センターコートのロイヤルボックスには特別な人物がいた。芝の王者ロジャー・フェデラー(スイス)だ。その姿を目にしたジョコビッチは、試合後のオンコートインタビューで笑みを浮かべて語った。
「たぶん彼が見ている前で自分が勝ったのは初めてだと思う。ここ数試合は負けていたから、呪いを破ったような気分だよ」
フェデラーの前では不思議と負けが続いていたジョコビッチ。この日も、決して流れは良くなかった。
3回戦まで許したブレークはわずか1つだったが、デミノーには最初の7つのサービスゲームのうち5つを奪われた。アンフォーストエラーも16本犯して、出鼻をくじかれる。第2セットの終盤にようやく調子を上げ、2セットを連取したが、第4セットでは再び1-4と大きくリードされてしまった。
“呪い”を払拭したのはここからだ。第6ゲームのピンチを凌いだジョコビッチは、4ゲームを連取して一気に逆転。驚異的な巻き返しで試合を締めくくった。「本当に難しい試合だった。自分にとってはかなり厳しい場面が幾つもあった」という彼のコメントは紛れもない本心だろう。
ジョコビッチは、スタンドのフェデラーに視線を送りながら、ジョークを続けた。
「時々こう思うんだ。あそこに立っている紳士のような、サーブ&ボレーと繊細なタッチがあればなって。それがあれば、どれだけ助かるかってね」
かつてウインブルドン決勝で3度ぶつかり合い、通算50戦を繰り広げたライバルへの敬意は揺るぎない。
「ロジャーがここにいてくれるのは本当に素晴らしいことだ。彼は偉大なチャンピオンで、自分がずっと尊敬してきた人物でもある。長年一緒にこの舞台を戦ってきたし、彼にとってこの大会が最も成功した、そして一番好きな場所であることは間違いないね」
フェデラーはウインブルドンで通算8度の優勝と105勝を誇る。対するジョコビッチはすでに101勝、優勝回数は7回。王者の背中は、ここ芝の聖地でも視界に入ってきた。次戦の準々決勝では、ノーシードから勝ち上がった23歳、フラビオ・コボッリ(イタリア/同24位)と対戦する。前人未到の25度目の四大大会優勝、そしてフェデラーに並ぶウインブルドン最多タイの8度目優勝――その偉業へ歩を進める。
構成●スマッシュ編集部
【動画】ロイヤルボックスでフェデラーが見守るなか、センターコートに入場するジョコビッチ&デミノー
【画像】ジョコビッチをはじめ、2025ウインブルドンを戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】「僕はフェデラーとナダルほど愛されてはいなかった」ジョコビッチが自身の置かれてきた立場について言及<SMASH>
そしてこの日、センターコートのロイヤルボックスには特別な人物がいた。芝の王者ロジャー・フェデラー(スイス)だ。その姿を目にしたジョコビッチは、試合後のオンコートインタビューで笑みを浮かべて語った。
「たぶん彼が見ている前で自分が勝ったのは初めてだと思う。ここ数試合は負けていたから、呪いを破ったような気分だよ」
フェデラーの前では不思議と負けが続いていたジョコビッチ。この日も、決して流れは良くなかった。
3回戦まで許したブレークはわずか1つだったが、デミノーには最初の7つのサービスゲームのうち5つを奪われた。アンフォーストエラーも16本犯して、出鼻をくじかれる。第2セットの終盤にようやく調子を上げ、2セットを連取したが、第4セットでは再び1-4と大きくリードされてしまった。
“呪い”を払拭したのはここからだ。第6ゲームのピンチを凌いだジョコビッチは、4ゲームを連取して一気に逆転。驚異的な巻き返しで試合を締めくくった。「本当に難しい試合だった。自分にとってはかなり厳しい場面が幾つもあった」という彼のコメントは紛れもない本心だろう。
ジョコビッチは、スタンドのフェデラーに視線を送りながら、ジョークを続けた。
「時々こう思うんだ。あそこに立っている紳士のような、サーブ&ボレーと繊細なタッチがあればなって。それがあれば、どれだけ助かるかってね」
かつてウインブルドン決勝で3度ぶつかり合い、通算50戦を繰り広げたライバルへの敬意は揺るぎない。
「ロジャーがここにいてくれるのは本当に素晴らしいことだ。彼は偉大なチャンピオンで、自分がずっと尊敬してきた人物でもある。長年一緒にこの舞台を戦ってきたし、彼にとってこの大会が最も成功した、そして一番好きな場所であることは間違いないね」
フェデラーはウインブルドンで通算8度の優勝と105勝を誇る。対するジョコビッチはすでに101勝、優勝回数は7回。王者の背中は、ここ芝の聖地でも視界に入ってきた。次戦の準々決勝では、ノーシードから勝ち上がった23歳、フラビオ・コボッリ(イタリア/同24位)と対戦する。前人未到の25度目の四大大会優勝、そしてフェデラーに並ぶウインブルドン最多タイの8度目優勝――その偉業へ歩を進める。
構成●スマッシュ編集部
【動画】ロイヤルボックスでフェデラーが見守るなか、センターコートに入場するジョコビッチ&デミノー
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