テニス四大大会「ウインブルドン」は現地7月12日に大会13日目を迎え、車いすテニスの女子シングルス決勝が行なわれた。第1シードで世界ランキング1位の上地結衣は第4シードで同4位のワン・ジイン(中国)と対戦したが、3-6、3-6で敗れ、残念ながら同大会初優勝と生涯ゴールデンスラム(全四大大会とパラリンピックを制すこと)の偉業達成はならなかった。
昨年のパリ五輪で単複2冠を達成し、今年6月の全仏オープンでは節目の四大大会10勝目を飾った31歳の上地。そんな彼女が唯一手にしていないのが、聖地ウインブルドンでのタイトルだ。
最高成績は2022年の準優勝。事実身長143cmと上背のない上地にとって球足の速い芝コートでのプレーは最難関と言っても過言ではない。それでも140年以上もの長い歴史を誇る最古のトーナメントでの目標達成に向け、チェアワークやサービスの改善に必死に取り組んできた。
そうして迎えた今大会は1回戦でアンジェリカ・ベルナール(コロンビア/同6位)、準々決勝で同8位のリジー・デ・グリーフ(オランダ/同8位)、準決勝でトップ5選手のリ・シャオフイ(中国/同3位)ら実力者たちを連破して決勝へ進出。前世界1位のディーダ・デグロート(オランダ/現5位)に次いで女子選手史上2人目となる生涯ゴールデンスラム達成に王手を懸けていた。
決勝では過去8勝1敗と大きく勝ち越しているワンと対戦。しかし今回は序盤から相手に主導権を握られた。上地は試合を通してワンに55本のウイナーを献上。課題のサービスゲームでもゲームポイントを握りながらもあと1本が取り切れない展開が続き、計7度のブレークを喫して1時間38分で力尽きた。
偉業達成を逃し、表彰式では「今はこの敗戦を受け入れるのが難しいです」と悔しさを滲ませた上地。それでも気持ちはすでに前を向いている。「ジイン選手、おめでとうございます。今日のあなたはとても強かったです」と勝者を素直に称えつつ、周囲の人々への感謝を交えてこう続けた。
「今日はチームのみんなに加え、以前のコーチやマネージャー、友人や個人スポンサーの方も来てくれていました。2週間支えてくれて本当に感謝しています。ぜひ今日は皆さんに勝利をプレゼントしたかったのですが、この競技を20年続けてきて、こうして自分はまだ向上する余地があるのだと実感できました。それを喜びに変えて頑張っていきたいと思います。来年こそウインブルドンのタイトルを獲りたいです」
一方勝ったワンは男女を通じて中国人選手初となる車いすテニスでの四大大会優勝を達成。表彰式では「勝ててとてもうれしいです。胸が興奮でいっぱいで、とても感慨深いです」と心からの喜びを語った。
文●中村光佑
【画像】上地はじめ、ウインブルドン2025を戦う女子トップ選手たちの厳選フォト
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昨年のパリ五輪で単複2冠を達成し、今年6月の全仏オープンでは節目の四大大会10勝目を飾った31歳の上地。そんな彼女が唯一手にしていないのが、聖地ウインブルドンでのタイトルだ。
最高成績は2022年の準優勝。事実身長143cmと上背のない上地にとって球足の速い芝コートでのプレーは最難関と言っても過言ではない。それでも140年以上もの長い歴史を誇る最古のトーナメントでの目標達成に向け、チェアワークやサービスの改善に必死に取り組んできた。
そうして迎えた今大会は1回戦でアンジェリカ・ベルナール(コロンビア/同6位)、準々決勝で同8位のリジー・デ・グリーフ(オランダ/同8位)、準決勝でトップ5選手のリ・シャオフイ(中国/同3位)ら実力者たちを連破して決勝へ進出。前世界1位のディーダ・デグロート(オランダ/現5位)に次いで女子選手史上2人目となる生涯ゴールデンスラム達成に王手を懸けていた。
決勝では過去8勝1敗と大きく勝ち越しているワンと対戦。しかし今回は序盤から相手に主導権を握られた。上地は試合を通してワンに55本のウイナーを献上。課題のサービスゲームでもゲームポイントを握りながらもあと1本が取り切れない展開が続き、計7度のブレークを喫して1時間38分で力尽きた。
偉業達成を逃し、表彰式では「今はこの敗戦を受け入れるのが難しいです」と悔しさを滲ませた上地。それでも気持ちはすでに前を向いている。「ジイン選手、おめでとうございます。今日のあなたはとても強かったです」と勝者を素直に称えつつ、周囲の人々への感謝を交えてこう続けた。
「今日はチームのみんなに加え、以前のコーチやマネージャー、友人や個人スポンサーの方も来てくれていました。2週間支えてくれて本当に感謝しています。ぜひ今日は皆さんに勝利をプレゼントしたかったのですが、この競技を20年続けてきて、こうして自分はまだ向上する余地があるのだと実感できました。それを喜びに変えて頑張っていきたいと思います。来年こそウインブルドンのタイトルを獲りたいです」
一方勝ったワンは男女を通じて中国人選手初となる車いすテニスでの四大大会優勝を達成。表彰式では「勝ててとてもうれしいです。胸が興奮でいっぱいで、とても感慨深いです」と心からの喜びを語った。
文●中村光佑
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