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島津製作所が日本リーグで3年ぶりの優勝!全日本覇者の本玉真唯がシングルス1で決める【テニス日本リーグ/女子】

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2020.02.10

シングルス1で島津製作所の優勝を決めた新加入の本玉真唯。写真:滝川敏之

 第34回テニス日本リーグの女子決勝戦が、2月9日(日)に横浜国際プールで行なわれ、12年連続でファイナル進出を果たした島津製作所が、3年ぶりの優勝を飾った。

 決勝の相手は明治安田生命。準決勝で2連覇中の橋本総業ホールディングスを下した勢いそのままにぶつかってきたが、意地を見せつけて挑戦を退けた。

 島津製作所にとって対戦相手が、初めて決勝に進出したアマチュア選手が主体の明治安田生命だったのは、想像とは違っていただろう。しかし、油断することなく、シングルス2では桑田寛子がプロの実力を示して王手をかける。そして、頼もしい先輩たちがいる中、シングルス1を任された全日本覇者の本玉真唯がコートに立ち、「個人戦よりも勝ちに対する執着心」を持って、3年ぶりの優勝を決めた。

 島津製作所は4連覇を達成した後に、一昨年、昨年と2年連続で準優勝と苦渋をなめていた。その2回とも橋本総業HDに決勝で敗れていたため、"打倒橋本"を掲げてこの1年間を過ごしてきた。

 小森ひろ子監督は、3年前に5連覇を狙っていた時のチームは「どこかふわふわしていた」と振り返る。「『ふわふわ』という言葉が合っているのかな?」とも言っていたが、言いたいところはなんとなくわかる。少なからず慢心があったのだろう。対する橋本は必死で初優勝を目指していた。その熱量の差が結果に表れて、5連覇を阻まれた。

 この1年は再び優勝をつかみ取るため、「チームメンバーの声を聞いたり、本音をぶつけ合う時間を作った」と言う。そして、新人の加入もありチームが活性化された。今回からメンバーに加わった本玉は、日本にいる時は、よくメンバーの桑田と練習をしているという。「足がパンパンになるぐらい練習が長いです。プレーを良くするために、1球1球をすごく大切にしていると感じました」と先輩のテニスに向き合う姿勢から学んだことも多かったようだ。
 
 理想は3戦全勝での優勝だったが、明治安田生命の米原実令/足立真美のダブルスが奮闘し、島津製作所のダブルスは黒星を喫した。敗れた大前綾希子と加治遥は「コートに立てなかった人のぶんまで勝ちにこだわってプレーしないといけなかったのに」と、自分たちの敗戦を悔しがった。とはいえ、コートに立てないメンバーのことを考えられているのは、チームがまとまっている証拠だろう。

 来年は3勝での勝利が目標だ。小森監督は、「明治安田生命のダブルスは強いし、ノアインドアステージも3位決定戦で橋本と良い試合をしています。もう2強ではなくなってきました」と気を引き締めていた。島津製作所と橋本総業HDの2強時代に風穴を開けた明治安田生命。橋本総業HDも来年はよりどん欲に優勝を狙ってくるだろう。女子日本リーグは活気づいていきそうだ。

〔女子結果〕
優勝 島津製作所
準優勝 明治安田生命
3位 橋本総業ホールディングス
4位 ノアインドアステージ
5位 リコー
6位 日本郵政グループ

文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

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