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海外テニス

内島萌夏、全米オープン初戦で7本のマッチポイントを凌ぎ涙の勝利!「最後まで力を出し切ることを意識しました」<SMASH>

内田暁

2025.08.25

窮地に追い込まれた内島は諦めずに戦い続けた仲間たちの姿を思い浮かべ無心でボールを追い続けた。(C)Getty Images

窮地に追い込まれた内島は諦めずに戦い続けた仲間たちの姿を思い浮かべ無心でボールを追い続けた。(C)Getty Images

 最終セットもゲームカウント3-4のゲームで、ミスを重ねブレークを許す。

 そして3-5の相手サービスゲームでは、40-0の3連続マッチポイント。

「またか……」

 諦めと失望が、頭の片隅をよぎる。

 同時にこの時、内島の脳裏によみがえる、幾つかの明るい光景があった。それは予選で見た、坂本怜が3連続マッチポイントを凌いだ姿。あるいは同じく予選で、マッチポイントを切り抜けた本玉真唯の試合。2週間前のモントリオールでは、大坂なおみがやはり、2本のマッチポイントから逆転勝ちした様も見た。

「みんなのそういう試合を見てきたので、あり得ると思えた。自分のプレーに集中し、最後まで力を出し切ることを意識しました」

 追い詰められた時ほどに、内島のボールは鋭く、深く、コートに刺さる。本人は「マッチポイントだからといって、特にプレーを変えようとか攻めようと意識はしなかった」と言うが、「最後まで戦いきる」という決意が、ボールに伸びを与えたのだろう。この絶体絶命の窮地を、内島は5ポイント連取で切り抜ける。3ゲーム後のサービスゲームでも0-40の3連続マッチポイントに追い詰められるが、ここでもサービスとフォアを打ち抜いて、5ポイント連取の脱出劇。
 
 運命の10ポイントタイブレークでは、7-2リードから追いつかれるも、「絶対に、10-2とかで簡単に勝つことは無いと思っていた」と振り返る。頭の片隅で響く「久しぶりに勝てるかも」の声を「邪魔だな」と思いつつも、あるがままに受け止めた。相手のダブルフォールトの幕切れは、内島が己に打ち勝った証しでもあるだろう。

 次の相手はまだ決まっていないが、昨年のウインブルドン優勝者のバルボラ・クレイチコワ(チェコ/同62位)と、18歳の新星ビクトリア・エムボコ(カナダ/同23位)の勝者。どちらが来ても、強者なのは間違いない。ただ内島は、その事実も受け止めた上で、「次以降は自分らしく、のびのびとプレーしたい」と笑顔。敗戦の淵から蘇った大器は、本来の伸びやかさを取り戻したに違いない。

現地取材・文●内田暁

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