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海外テニス

内島萌夏、多彩な攻めで元全米女王ラドゥカヌをストレートで撃破!次なる相手は世界3位のガウフに決定<SMASH>

内田暁

2025.03.08

四大大会に次ぐグレードの「BNPパリバ・オープン」に初出場した内島萌夏だが、元全米女王ラドゥカヌを圧倒する多彩なプレーで2回戦へ駒を進めた。(C)Getty Images

四大大会に次ぐグレードの「BNPパリバ・オープン」に初出場した内島萌夏だが、元全米女王ラドゥカヌを圧倒する多彩なプレーで2回戦へ駒を進めた。(C)Getty Images

「なんか、うれしいけれど、終わったんだ――という。結構、あっという間な気がします」

 四大大会に次ぐ格付けであり、“第五のグランドスラム”と呼ばれるテニスツアー「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート)1回戦――。センターコートで、エマ・ラドゥカ(イギリス)ヌに6-3、6-2で快勝したにも関わらず、内島萌夏の表情は、どこか浮かない様子だった。

 現在のランキングでは、52位の内島が55位のラドゥカヌを上回る。ただなんといっても英国の22歳は、18歳にして予選から全米オープンの頂点へと駆け上がったテニス界のスターだ。2年半前の初対戦では、「ボコボコにされた」との印象も強い。

「彼女はグランドスラム(四大大会)で優勝しているし、その後は苦しんでいるのも知っているけれど、実力のある選手。簡単な試合ではないことはわかっていた」

 一歳年少の“シンデレラストーリー体現者”を、内島はそのように目していた。

「簡単な試合ではない」理由は、相手のみならず、強風と寒さにもあった。開催地のインディアンウェルズは温暖な気候で知られるが、湿度が低い分、寒気が流れこむと町全体が一瞬で冷え込む。この日の日中気温は4~5度。加えて、看板が倒れるほどの強風がコート上を吹き抜け、トスを上げるのも一苦労だ。

 ただ、両者ともストレスが溜まる状況下で、環境に適応しつつ相手を崩したのは、内島だった。
 
 試合後にラドゥカヌは、「タフなコンディションに加え、相手のボールも難しかった。攻撃的に行こうと思ったが、うまくいかなかった」と言った。

 具体的に、内島の打つボールの何が、彼女を苦しめたのか?

「ものすごくスピンのかかったショットへの対処が、弾むこのコートと強風の中では難しい。当たりそこないかと思うような短いショットが来たかと思えば、深いショットにもスピンとフラットがある。予測ができず、自分のプレーをさせてもらえなかった」

 それが、ラドゥカヌの見解だった。

 この言葉を内島に伝えると、彼女の顔が、パッと輝く。

「私のボールがですか? それは、ありがとうございます!」
 そう言い笑みを広げながら、彼女が描いていたプランを、次のように明かした。
 
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