対する錦織は試合後の会見で、「久しぶりに、こんなに硬くなった」と明かした。同時に、ツアー離脱の原因となった腰の痛みも、「全力で動くと出る」ことも認める。その上で、極めて申し訳なさそうに肩をすくめて、こうも言った。
「正直なことを言うと……、ちょっと加減しながらでもいけるかなと思って、試合に入ったんです。ほんと、すみません」
そんな淡い期待は、序盤の市川のプレーの前に、吹っ飛ぶ。
「このままじゃ、確実に負ける」と気持ちを引き締めた錦織は、第2セット以降は早いタイミングでボールを叩き、ストレートに、そして逆クロスにと広角にボールを打ち分けた。
第2ゲームをブレークし、第5ゲームでは飛び上がりながらフォアを打つ、通称“エアK”も飛び出す。その展開の早さに、市川の打球への入りが一歩、二歩と遅れ始めた。それは単に、展開の速さや球威のためだけではない。
「打球のコースを隠すのが、すごくうまい」
それが対戦を終え、市川が実感した錦織の強さ。第2セットは6-1で、錦織が取り返した。
太陽を覆っていた雲が晴れ、気温も急上昇した第3セットでは、錦織はレギンスを脱ぐ。身体も温まり、動きも一層切れ味を増した錦織は、立ち上がりから4ゲーム連取。終わってみれば、4-6、6-1、6-1のフルセットながら、試合時間は1時間21分。勝利の瞬間に錦織が見せたのは、安堵の表情だった。
今回、慶應チャレンジャーへの出場を決めたのは、ケガの回復には時間が何より必要ななかで、「タイミング的に合ったから」だという。痛みの理由は、本人いわく「疲労骨折みたいな、骨の問題」であり、「休まない限り治らない」状態だった。
今大会も、「出ないという選択肢もあった」という。
それでも最終的に出ると決めたのは、「一試合でもできるなら、来年のためにと思った」から。次につながる一歩を、まずは蝮谷テニスコートに刻んだ。
取材・文●内田暁
【画像】約3カ月ぶりの実戦復帰!慶應チャレンジャー初戦をフルセットマッチで制した錦織圭を特集!
【関連記事】約3カ月ぶりに実戦復帰の錦織圭、慶應チャレンジャー初戦で市川泰誠とのフルセットマッチを制す「十分な試合はできたと思う」<SMASH>
【関連記事】錦織圭が慶應チャレンジャーで3カ月ぶりの実戦復帰へ! 大会SNSを通じメッセージ動画公開「今週から頑張ります!」<SMASH>
「正直なことを言うと……、ちょっと加減しながらでもいけるかなと思って、試合に入ったんです。ほんと、すみません」
そんな淡い期待は、序盤の市川のプレーの前に、吹っ飛ぶ。
「このままじゃ、確実に負ける」と気持ちを引き締めた錦織は、第2セット以降は早いタイミングでボールを叩き、ストレートに、そして逆クロスにと広角にボールを打ち分けた。
第2ゲームをブレークし、第5ゲームでは飛び上がりながらフォアを打つ、通称“エアK”も飛び出す。その展開の早さに、市川の打球への入りが一歩、二歩と遅れ始めた。それは単に、展開の速さや球威のためだけではない。
「打球のコースを隠すのが、すごくうまい」
それが対戦を終え、市川が実感した錦織の強さ。第2セットは6-1で、錦織が取り返した。
太陽を覆っていた雲が晴れ、気温も急上昇した第3セットでは、錦織はレギンスを脱ぐ。身体も温まり、動きも一層切れ味を増した錦織は、立ち上がりから4ゲーム連取。終わってみれば、4-6、6-1、6-1のフルセットながら、試合時間は1時間21分。勝利の瞬間に錦織が見せたのは、安堵の表情だった。
今回、慶應チャレンジャーへの出場を決めたのは、ケガの回復には時間が何より必要ななかで、「タイミング的に合ったから」だという。痛みの理由は、本人いわく「疲労骨折みたいな、骨の問題」であり、「休まない限り治らない」状態だった。
今大会も、「出ないという選択肢もあった」という。
それでも最終的に出ると決めたのは、「一試合でもできるなら、来年のためにと思った」から。次につながる一歩を、まずは蝮谷テニスコートに刻んだ。
取材・文●内田暁
【画像】約3カ月ぶりの実戦復帰!慶應チャレンジャー初戦をフルセットマッチで制した錦織圭を特集!
【関連記事】約3カ月ぶりに実戦復帰の錦織圭、慶應チャレンジャー初戦で市川泰誠とのフルセットマッチを制す「十分な試合はできたと思う」<SMASH>
【関連記事】錦織圭が慶應チャレンジャーで3カ月ぶりの実戦復帰へ! 大会SNSを通じメッセージ動画公開「今週から頑張ります!」<SMASH>




