内山と対戦したキロスも、ゴメスと同じ南カリフォルニア大学で、全米大学選手権を制した同志。大学時代からのチームメイトの勝利に奮起したか、左腕から繰り出すサービスを軸に、第1セットはブレークポイントすら許さなかった。
「相手の長身の左利きのサービスに、なかなか対応しづらかった」。試合後にそう認める内山だが、第2セットに入るとリターンで返せるようになる。ラリー戦に持ち込めば、内山に分があるのは確か。内山がセットを取り返し、勝敗は最終セットに持ち込まれた。
終わってみれば両者ともにゲームをキープしあった第3セットだが、優位に進めていたのは、第8ゲーム、そして第10ゲームでも0-40の3連続ブレークポイントを手にしたキロスだった。ただその窮地を内山は、いずれも慎重かつ強気なプレーで凌ぎ切る。「精神的に、とても苦しかった」。後にキロスも、そう振り返る局面だ。
それでもタイブレークに入っても、キロスのプレーに落胆の影はない。大学テニス経験者ゆえに、団体戦を好む性質もあるのだろう。「苦しい時は、キャプテンやチームメイトの声援を力に変えた」という彼は、マッチポイントで内山が放ったボレーをも、奇跡的なボレーで沈める。内山が「最後はお互いに良いプレーをした。勝敗は紙一重だった」と述懐する、その微差の領域を制したのはキロスだった。
初日を終えて、結果はエクアドルの2勝0敗。日本は苦しい局面に立たされたが、明日は単複での出場が予定されている内山は、「自分のプレーは悪くなかった。まだまだ勝つチャンスはある」と毅然と前を向いた。
日本としては、今日の試合を踏まえ相手2選手の対策をいかに立てるかが、チーム力の見せ所にもなる。「普段のデ杯とは違う雰囲気だが、後ろに応援してくれる方々がいることはわかっている」。空席の向こうの声援を感じつつ、岩渕キャプテンは2日目の巻き返しを誓った。
文●内田暁
【PHOTO】世界で戦う熱き日本人プレーヤーたち!
「相手の長身の左利きのサービスに、なかなか対応しづらかった」。試合後にそう認める内山だが、第2セットに入るとリターンで返せるようになる。ラリー戦に持ち込めば、内山に分があるのは確か。内山がセットを取り返し、勝敗は最終セットに持ち込まれた。
終わってみれば両者ともにゲームをキープしあった第3セットだが、優位に進めていたのは、第8ゲーム、そして第10ゲームでも0-40の3連続ブレークポイントを手にしたキロスだった。ただその窮地を内山は、いずれも慎重かつ強気なプレーで凌ぎ切る。「精神的に、とても苦しかった」。後にキロスも、そう振り返る局面だ。
それでもタイブレークに入っても、キロスのプレーに落胆の影はない。大学テニス経験者ゆえに、団体戦を好む性質もあるのだろう。「苦しい時は、キャプテンやチームメイトの声援を力に変えた」という彼は、マッチポイントで内山が放ったボレーをも、奇跡的なボレーで沈める。内山が「最後はお互いに良いプレーをした。勝敗は紙一重だった」と述懐する、その微差の領域を制したのはキロスだった。
初日を終えて、結果はエクアドルの2勝0敗。日本は苦しい局面に立たされたが、明日は単複での出場が予定されている内山は、「自分のプレーは悪くなかった。まだまだ勝つチャンスはある」と毅然と前を向いた。
日本としては、今日の試合を踏まえ相手2選手の対策をいかに立てるかが、チーム力の見せ所にもなる。「普段のデ杯とは違う雰囲気だが、後ろに応援してくれる方々がいることはわかっている」。空席の向こうの声援を感じつつ、岩渕キャプテンは2日目の巻き返しを誓った。
文●内田暁
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