専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

「空席の向こうの声援を感じ…」剣が峰の日本チームは2日目の巻き返しを誓う【男子テニス/デビスカップ予選】

内田暁

2020.03.07

新型コロナウィルスの影響で、無観客試合で行なわれた日本対エクアドル戦。(C)GettyImages

新型コロナウィルスの影響で、無観客試合で行なわれた日本対エクアドル戦。(C)GettyImages

 内山と対戦したキロスも、ゴメスと同じ南カリフォルニア大学で、全米大学選手権を制した同志。大学時代からのチームメイトの勝利に奮起したか、左腕から繰り出すサービスを軸に、第1セットはブレークポイントすら許さなかった。

「相手の長身の左利きのサービスに、なかなか対応しづらかった」。試合後にそう認める内山だが、第2セットに入るとリターンで返せるようになる。ラリー戦に持ち込めば、内山に分があるのは確か。内山がセットを取り返し、勝敗は最終セットに持ち込まれた。

 終わってみれば両者ともにゲームをキープしあった第3セットだが、優位に進めていたのは、第8ゲーム、そして第10ゲームでも0-40の3連続ブレークポイントを手にしたキロスだった。ただその窮地を内山は、いずれも慎重かつ強気なプレーで凌ぎ切る。「精神的に、とても苦しかった」。後にキロスも、そう振り返る局面だ。
 
 それでもタイブレークに入っても、キロスのプレーに落胆の影はない。大学テニス経験者ゆえに、団体戦を好む性質もあるのだろう。「苦しい時は、キャプテンやチームメイトの声援を力に変えた」という彼は、マッチポイントで内山が放ったボレーをも、奇跡的なボレーで沈める。内山が「最後はお互いに良いプレーをした。勝敗は紙一重だった」と述懐する、その微差の領域を制したのはキロスだった。

 初日を終えて、結果はエクアドルの2勝0敗。日本は苦しい局面に立たされたが、明日は単複での出場が予定されている内山は、「自分のプレーは悪くなかった。まだまだ勝つチャンスはある」と毅然と前を向いた。

 日本としては、今日の試合を踏まえ相手2選手の対策をいかに立てるかが、チーム力の見せ所にもなる。「普段のデ杯とは違う雰囲気だが、後ろに応援してくれる方々がいることはわかっている」。空席の向こうの声援を感じつつ、岩渕キャプテンは2日目の巻き返しを誓った。

文●内田暁

【PHOTO】世界で戦う熱き日本人プレーヤーたち!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号