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海外テニス

「木製ラケットで壁打ちしていた」生ける伝説フェデラーが、テニス少年だった幼少期を振り返る

誉田優

2020.03.25

年始の全豪オープンでは、激戦を勝ち抜いて準決勝に進出したフェデラー。(C)GettyImages

年始の全豪オープンでは、激戦を勝ち抜いて準決勝に進出したフェデラー。(C)GettyImages

「いつかトップ100に入って、いくつか大きな大会に出られたらいいというくらいしか考えていなかった。でも次第に、大きな大会のセンターコートで、15000人に見守られながら戦うことが日常になっていった。それがいかに特別なことなのか、みんな忘れがちだけれど、僕は決して忘れない。毎試合、できる限り楽しもうと心がけているんだ」

 フェデラーが幼い頃、彼の両親も息子がこれほどまでに大成するとは考えていなかったようだ。実のところ、彼の両親はスポーツとは程遠い人生を送ってきた。

「スイス人は、学業こそが最優先であると考えがちなんだ。両親も同じで、僕に勉強が大切だと教えてくれた。でも近頃は、多くの人がスポーツをキャリアの選択肢のひとつだと信じるようになってきたと思う。僕がテニスコートに立って、みんなに見せてきたことで、スポーツの可能性を少しでも示せたんじゃないかな。スイス生まれの次世代のアスリートやスーパースターの助けになれると信じているよ」
 
 とはいえ、スイスの人々がスポーツに全く無関心だったわけではない。フェデラー自身も、地元のサッカークラブであるFCバーゼルを長年応援してきた。「スイス人は本当はスポーツが好きだと思うんだ。他国の選手やチームを応援したり、ラテン系の人々のように強く熱狂することがないだけで、結局のところ、僕たちはスポーツを愛しているよ」

 38歳のフェデラーは、プロテニスプレーヤーが経験するであろうあらゆることを経験してきた。だが、彼はそのことを当然だとは思っていない。

「僕は毎日、最大限の努力ができるように努めている。練習でも、試合でもね。それから、ファンたちにどれほど感謝しているか伝えようとしているんだ。アップダウンが激しい毎日だけど、すべての瞬間を楽しんでいるよ」

 数々の記録を塗り替え続けるフェデラー。2月には、右ヒザを手術したことを発表し、世間を驚かせたが、まだまだ彼の挑戦は続くようだ。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu_honda/instagram:yu_honda

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