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海外テニス

再起を誓う元世界5位のアンダーソンが語る「ケガとの戦い」「下位選手救済」、そして「日本のジュニア」について【海外テニス】

内田暁

2020.05.19

インターネットを通じてフロリダの自宅から取材に応じてくれたアンダーソン。写真:内田暁

インターネットを通じてフロリダの自宅から取材に応じてくれたアンダーソン。写真:内田暁

 副会長のアンダーソンは、「下位選手救済の必要性は、評議会の総意」としながらも、選手間からは“ジョコビッチ案”に対し、種々の意見が寄せられていることも認める。

「評議会には色々な方針があるが、皆が一つの意志を共有している。それは、可能な限り多くの下位選手を助けたいということ。助けを切に必要としている選手がいることは、誰もが理解している。世界の色々なところで起きていることと同様に、テニスもコミュニティとして助け合うことが必要なんだ。我々は全員が“テニスファミリー”に属しているわけだから。

 ただ…、トップ100の選手全員から寄付を集めるという提案は、少々トリッキーでもある。それぞれの考え方もあるし置かれている環境も違うのだから、難しい部分はあるよね」

 その案件についてアンダーソンは、多くの選手たちと個別にも話を重ねてきたという。その結果感じたのは、「拠点としている地域や国によっても状況が異なる。下位選手への給付金が必要なのは間違いないが、それは選手からよりも、ATPなどから出る方が良いだろうという意見が多かった」ということだ。
 
 果たして5月中旬の時点で、ATPおよびWTA(女子テニス協会)は、ITF(国際テニス連盟)、さらにグランドスラム4大会とも提携して“選手救済基金”を設立。男女それぞれ単複450名ほどの選手に、救済金を給付することが決まった。

 この件に関しアンダーソンは、「ATPは素晴らしい仕事をしてくれた」とし、「選手評議会とATPはうまくコミュニケーションが取れている。今後さらにツアーの中断が長引くようなら、選手たちによる寄付も考えている」と続けた。

 アンダーソンが、このようにテニス界を俯瞰する広い視野を備える訳は、彼の出自にも関係しているかもしれない。現在は米国・フロリダ州に根を張るアンダーソンだが、生まれ育ったのは南アフリカ共和国。そこは彼いわく、「テニスの中心地から遠く離れた地」であった。
 
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