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国内テニス

「女子でも何かできないかな…」土居美咲の思い描いたイベントが選手とファンの心を動かし開催へ!【国内テニス】

内田暁

2020.06.28

オンラインミーティング(写真)を通じて、ファンと共に作り上げるイベントというコンセプトに沿って準備が進められた。写真:土居美咲

オンラインミーティング(写真)を通じて、ファンと共に作り上げるイベントというコンセプトに沿って準備が進められた。写真:土居美咲

 意外…という意味では、話を持ちかけられた井上の方が、土居からの提案に驚きを覚えたかもしれない。

 ジュニア時代に頭角を現し、早くからテニス界で注目された土居だが、周囲が彼女に抱く印象は「寡黙」や「シャイ」だっただろう。井上が土居に対し抱いていたイメージも、そのような一般的見解から大きく外れるものではなかった。

 そんな土居が、自ら選手たちに声をかけ、全くのゼロからイベントを作ろうとしている――。

 そのビジョンを活き活きと、そして実に楽しそうに語る2歳後輩の姿を見た時、井上は土居の放つエネルギーに感化され、いつしか乗り気になっている自分に気づいていた。

 ただそのプランを実現させるには、スピードが必要だとも井上は感じていたという。ツアーが8月に再開するなら、イベントは遅くても7月の2週目にはやりたい。場所の確保や運営費調達の時間を考えれば、今すぐ動かなくては難しい。そうなれば、実働は自分の役目だとも感じていた。
 
 まずすべきは、選手集め。関東に居ることが絶対条件だが、同時に、単に自分たちが仲が良いというのではなく、年齢やキャラクターも含め幅広い層に声を掛けることを心がけた。

「試合をするだけではなく、ファンの方も巻き込んで双方向性のあるものにしたい。その過程で選手の人間性を広く知ってもらい、個々の選手に固定ファンが付くようなイベントにしたい」

 そのような理念を思い描いた時、イベント設立までのプロセスを、ファンと共有していこうとのアイディアも生まれる。なればどんなイベントにするかのアイディアも、ファンに提案してもらえば良いのではないか…?

 そのような枠組みを2人で共有し、イベント運営経験のある先輩などから助言も得ながら、「オンラインミーティングを通じて、ファンと共に作り上げるイベント」という基本コンセプトが確立する。

 参加8選手が確定し、有志のファンを交えての第1回オンラインミーティングが開催されたのは、それからわずか10日後のことだった。
 

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