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国内テニス

伊藤竜馬や今西美晴らが激戦を制して準決勝進出!その向こう側にある"思い"とは?『BEAT COVID-19 OPEN』【国内テニス】

内田暁

2020.07.03

今年プロ転向の18歳山中太陽はラウンドロビン敗退となるも、持ち味の超攻撃的なテニスを武器にその先を見据える。写真:内田暁

今年プロ転向の18歳山中太陽はラウンドロビン敗退となるも、持ち味の超攻撃的なテニスを武器にその先を見据える。写真:内田暁

 伊藤と並んでもうひとり、「3年」を一つの区切りにあげた選手がいた。

 今大会最年少の18歳、プロ1年目の山中太陽だ。

 豪快な片手バックハンドがトレードマークの山中は、初戦でダニエル太郎を剣ヶ峰まで追い詰め、自らの存在を鮮烈にアピールした。

 観る者を引き付ける超攻撃型テニス。そして今大会の会場でもあるビーンズドーム――この2つの要素が重なった時、彼のキャリアの原点が浮かび上がる。

 山中が、ビーンズドームで行なわれるジュニア合宿『関西・兵庫トレセン』に呼ばれたのは、小学4年生の時だった。戦績的にはそこまで高くなかったが、上位選手たちが辞退したため、僥倖的に周ってきたチャンス。その機を生かすべく10歳の少年は、「インパクトを残してこよう」と全力でラケットを振った。

 果たしてその狙い通り、彼の姿はコーチ陣の心に深く刻まれ、以降も山中は定期的にトレセンに呼ばれるようになる。その後も、ビーンズドームを拠点とする『テニスラボ』で腕を磨き、今年からはオーストラリアのゴールドコーストに拠点を移して、プロのキャリアを歩み始めた。

 おっとりした口調ながら、「夢は、ウインブルドン優勝」と迷わず明言する山中は、21歳以下に出場資格がある『ATPネクストジェン・ファイナル』の出場を、当面は目指しているという。

「そこに入れれば、グランドスラムで活躍できる確率も高くなる。あと3年くらいですが、そこが1つの目標です」

 夢に向かい、キャリアの原点から再び羽ばたく。
 
■崖っぷちから、決意の再スタート■

 女子の方では、最年長28歳の今西美晴が、清水綾乃との接戦を制し準決勝への切符をもぎ取った。

 今西は現在、中村藍子と古賀公仁男コーチが立ち上げた兵庫県内のアカデミーを拠点としている。中村たちに「うちでやらないか」と声を掛けられたのは、所属先の島津製作所から「来季は契約を更新しない」と告げられ、キャリアを終えることを考えていた矢先だった。

 自分はまだテニスをやりたいのか…と自問自答する1カ月ほどを経て、中村たちのもとで再スタートを切る心を決めたのは、3月末。そこからは球出しや振り回しなどの基礎練習で、ひたすらボールを打ち続けた。
 

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