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国内テニス

土居美咲や穂積絵莉ら女子トッププロ8名がツアー再開前に真剣勝負!【国内テニス】

内田暁

2020.07.12

「イベントは「真剣勝負」と「エンタメ」の2本立てで開催(写真右=あいさつする土居、同右上=出場選手による円陣、同右下=エンタメコーナーでプレーを限定された大前)。写真:内田暁

「イベントは「真剣勝負」と「エンタメ」の2本立てで開催(写真右=あいさつする土居、同右上=出場選手による円陣、同右下=エンタメコーナーでプレーを限定された大前)。写真:内田暁

 今回のイベント名の考案に時間をかけ、デザイナーに依頼し普遍性の高いロゴやグッズを作成したのは、一過性の盛り上がりで終えるのではなく、継続して開催していくためでもある。

 その嚆矢となる今回は、何より実行することに意義があり、ミーティングに参加したファンも含む当事者たちが楽しむことが不可欠だった。

 ただ今後もつづけていくとなった時には、何を理念とし、誰に向けてやっていくべきなのか――?

「今回は選手もみんな時間があったからできたけど、ツアーが始まったらこのやり方では難しい。国内でのテニス人気は高めたいけれど、そのために選手が世界で活躍する機会が少なくなったら本末転倒ですから」

 WTAツアーを主戦場とする土居は、選手としての本分と普及活動の両立の難しさを漏らす。

 また、今回はコアなテニスファンとの交流に重きを置いたが、これからはより広い層にリーチしていく必要性も出てくるだろう……それらの思いが、イベント終了と同時に早くも頭を駆け巡った。
 
 現在、小堀桃子のコーチをつとめる井上にしても、次への一歩をどこに踏み出すかは頭を悩ます課題だ。一選手のコーチである自分が、複数の選手を集めイベントの指揮をとってよいものか?自分たちにとって楽しいことが、果たしてファンの楽しみにもなるのか?

「終わったら答えが見えるかと思っていたけれど、ますますわからなくなりましたね……」

 その自問への答えが見えるまで、井上にとっても今回のイベントは終わらないようだ。

 もっとも、土居や井上らが考え悩み動いていく姿は、第1回『わんいろ』参加者それぞれの胸に、何かしらの種を産み落としもしただろう。

 参加選手最年少の本玉真唯は、「ファンの方の姿も見えて、こんなに応援してくれる人たちが居るんだと思えた。少し周囲を見る目が変わった」と言った。

 今回のイベント名『わんいろ』には、選手それぞれが持つ色を用いて、1つの大志を描くとの意味が込められているという。

 この先、選手やファンたちがどのような絵を描いていくのか? 

 可能性は無限にある。

取材・文●内田暁

【PHOTO】土居美咲ら世界で戦う熱き日本人プレーヤーたち!

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