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海外テニス

全米オープンの「バブル」は試金石になるのか?最長で約4週間の隔離生活に不安の声も【海外テニス】

内田暁

2020.08.23

「メンタルをやられてしまいそう」と日本の西岡は全米前哨戦からのバブル入りを見送った。(C)GettyImages

「メンタルをやられてしまいそう」と日本の西岡は全米前哨戦からのバブル入りを見送った。(C)GettyImages

 このニューヨークでのテニスバブルは、約4週間に及ぶ。全米オープンの開催期間は2週間だが、通常はその2週間前にシンシナティで行なわれる『ウェスタン&サザン・オープン』を今年は1週遅らせ、全米オープンと同会場で開催。さらに参戦選手たちは、大会開幕の4日前には現地入りすることが求められたからだ。

 最大4週間滞在することになる選手たちのために、大会側は様々な趣向を凝らしているという。

 通常は観客の憩いの場となる広場などに、バスケットボールやフットサル場、パデルやミニゴルフコースを設けた。
    
 オフィシャルホテルにも、PS4などのゲーム機や卓球テーブル、種々のアーケードゲーム機が並び、さらにはカラオケまであるという。選手たちからはやはり、「現地の友人と会ったり、一緒に食事できないのは寂しい」との声も漏れるが、それぞれが現状を受け入れ、ベストパフォーマンスを発揮することに心を向けているようだ。
 
 ようやく再開したテニスツアーではあるが、ヨーロッパやオーストラリアを拠点とする選手たちの間で渡米への懸念は強く、昨年の男子優勝者のラファエル・ナダルが出場辞退。女子では世界1位のアシュリー・バーティーや2位のシモナ・ハレップをはじめ、トップ10選手のうち6名が欠場となっている。

 西岡良仁はぎりぎりで全米オープンの出場を決意したが、ウェスタン&サザン・オープンをスキップした理由の一つは、「ずっとバブルの中ではストレスが溜まり、メンタルをやられてしまいそうだから」だ。

 国によっては、渡米が規制されているなかでの全米オープン開催には、選手間からも賛否両論の声が上がっているのも確か。だが、手探りながらバブルに包まれ踏み出す一歩が、ツアー本格再開への試金石になるのは間違いない。

文●内田暁

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