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海外テニス

激しくなるテニスのフィジカルバトル。故障を防ぐために錦織圭が実践していたこととは?

久見香奈恵

2020.09.08

現在中尾氏は『ダンロップジュニアキャンプ』のトレーナーなど、選手を目指す子どもたちの身体づくりのサポートを行なっている。写真:スマッシュ編集部

現在中尾氏は『ダンロップジュニアキャンプ』のトレーナーなど、選手を目指す子どもたちの身体づくりのサポートを行なっている。写真:スマッシュ編集部

 勝ち進むことでプレー時間も長くなり、筋肉疲労の蓄積も加わる。選手は「とても疲れていても全力で戦う」ということが日常的だ。その疲労面を補うためにも筋肉のトリートメントや関節の動きの細かなチェックはもちろんのこと、脈拍や体温、尿の濃さなど数値や色を記録することも疲労度を図れる材料になる。

「疲れが溜まりだすとイメージしているものと実際の足の動きが合わないことがあります。身体の反応がイメージについてこないと無理を引き起こすことが多い。トップ選手によっては試合前にボールを打たずに試合をする人もいますが、錦織は疲れていても必ず試合前に30分のオンコートウォームアップを行ない、筋肉の状態とテニスの感覚が一致しているのかを一緒に確認してきました。
 その他にもテニス選手の生活には、長時間フライトの移動からくる疲労もあります。錦織も午前中に移動が完了した場合は、午後に練習をすることが多かったので、会場に着いてすぐにジムでバイクを漕ぎます。エコノミー症候群を回避し、血栓予防や血の循環を良くするためにもコンプレッションウェアを着て移動することが多かったです」
 
 質の高いトレーニングを持続しながらも怪我を予防し、オンコートパフォーマンスを上げたい。選手生活を経験した筆者自身も、より自分自身の才能を引き出し開花させるためには、中尾氏のように生活を細かく切り取りチェックしてくれるコンディショニングトレーナーの力が強く必要だと感じてきた。こうした回復要素の知識習得や生活管理を積み重ねることでハードなトレーニングでの効果が出やすくなり、世界との体格差を埋める強靭なフィジカルを手に入れやすくなるのだ。
 

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