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海外テニス

激しくなるテニスのフィジカルバトル。故障を防ぐために錦織圭が実践していたこととは?

久見香奈恵

2020.09.08

2018年の全米オープンでベスト4へ進出した錦織を支えた

2018年の全米オープンでベスト4へ進出した錦織を支えた"チームK"のメンバー。※左端が中尾氏。写真:滝川敏之

「私は錦織のコンディショニング担当として年間250日以上を共にしてきました。遠征中、常時選手を見ることで大体の疲れてくるペースがわかってきます。疲労度が高くなってきたときは身体の様子を見ながら、選手本人との話を重要視して、次にどうするかを決めてきました。錦織の口数はそれほど多くありませんでしたが、その中での言葉をくみ取り、本人が試合をしたいかなどメンタル状況も聞き、ポジティブな場合は、できる限りのことをしてコートへ送り出します。選手によっては、私ができると判断しても、本人が消極的なときもあるので、その場合の方が苦労します。トップ選手は技術的にも体力的にも僅差のレベルです。あとは、この中でどこまで戦い抜けるメンタルがあるかだとも感じています」

 だからこそ日頃から選手の状態を把握し、ケガを回避できる万全の状態でコートへ送り出すことが、トレーナーとして重要な役割になってくるのだ。
 
 全米を目の前に、新型コロナウイルスの陽性反応で今大会をスキップした錦織。中尾氏は、これからの復帰戦に対して「彼なら右ヒジのケガ以外の部分の準備がしっかりしているはず。ゲーム感覚を取り戻しさえすれば、全仏で活躍する可能性は大きくあると思いますよ」

 錦織は、全仏参戦前にジェネラリ・オープン(9月8日開幕・オーストリア)にて復帰する。ケガから1年ぶりの彼のプレーに、またテニスファンは熱狂することになるだろう。

文●久見香奈恵
WTA125大会ダブルス優勝、全日本選手権女子ダブルス優勝、混合ダブルス準優勝といった戦績を挙げた元プロテニスプレーヤー。2017年に現役引退後はテニス普及活動や、イベント出演、WEB執筆等を行なっている。

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