このほかにも、全米オープンにはアメリカのスター選手であるセレナ・ウィリアムズが6月の時点でプレーすることを約束し、大会開催を後押し。男子はジョコビッチや世界3位のドミニク・ティームも出場し、数少ないトップ選手の参戦に全米テニス協会(USTA)も一安心したかもしれない。ディミトロフは2回戦で敗退となったが、次戦のイタリア国際では「まだ50%の状況だけど、100%何もないよりは良い」と語っていた。
しかし、その一方でツアーから距離をとっている選手が多いのも事実だ。昨年覇者のラファエル・ナダルは、渡航への懸念を理由に全米オープンをスキップし、クレーコートシーズンに専念。女子の全米オープンは、ランキング上位10選手のうち6名が欠場する異例の事態となった。その中でも、世界1位のアシュリー・バーティは先日、全仏オープンを含むクレーコートシーズンの全欠場を発表。自身のインスタグラムにはこう綴っている。
「昨年の全仏オープンは私のキャリアの中で最も特別なトーナメントだったので、軽い気持ちで決めたわけではない。決断の理由は2つ。1つ目は、新型コロナウイルスにはまだ健康上のリスクがあるということ。もう1つは、オーストラリアの州境閉鎖でコーチと一緒にトレーニングできず、理想的な準備ができないこと」
バーティと同じオーストラリアのニック・キリオスも、今シーズン離脱の可能性が高い。メディアプラットフォーム「Uninterrupted」に公開されたビデオでは、全米オープン欠場の理由を「人々のために、我がオーストラリア人のために、何百・何千もの命を失ったアメリカ人のために、あなた方全員のために、今回は参加しない。それが自分の決断だ」と報告。6月に陽性反応を示したジョコビッチ主催の「アドリア・ツアー」出場者に対しては「パンデミックを真剣に受け止めていない」と非難を繰り返していた。
ツアーはヨーロッパ中心としたクレーコートシーズンに突入したが、まだまだ慎重にならざるを得ない状況。無観客での開催も含め、一部選手の欠場はこれからも続き、パンデミック以前のように賑やかなツアーには簡単に戻ることはできないだろう。今後もしばらくは選手の見解や行動は二極化していきそうだ。
文●久見香奈恵
WTA125大会ダブルス優勝、全日本選手権女子ダブルス優勝、混合ダブルス準優勝といった戦績を挙げた元プロテニスプレーヤー。2017年に現役引退後はテニス普及活動や、イベント出演、WEB執筆等を行なっている。
しかし、その一方でツアーから距離をとっている選手が多いのも事実だ。昨年覇者のラファエル・ナダルは、渡航への懸念を理由に全米オープンをスキップし、クレーコートシーズンに専念。女子の全米オープンは、ランキング上位10選手のうち6名が欠場する異例の事態となった。その中でも、世界1位のアシュリー・バーティは先日、全仏オープンを含むクレーコートシーズンの全欠場を発表。自身のインスタグラムにはこう綴っている。
「昨年の全仏オープンは私のキャリアの中で最も特別なトーナメントだったので、軽い気持ちで決めたわけではない。決断の理由は2つ。1つ目は、新型コロナウイルスにはまだ健康上のリスクがあるということ。もう1つは、オーストラリアの州境閉鎖でコーチと一緒にトレーニングできず、理想的な準備ができないこと」
バーティと同じオーストラリアのニック・キリオスも、今シーズン離脱の可能性が高い。メディアプラットフォーム「Uninterrupted」に公開されたビデオでは、全米オープン欠場の理由を「人々のために、我がオーストラリア人のために、何百・何千もの命を失ったアメリカ人のために、あなた方全員のために、今回は参加しない。それが自分の決断だ」と報告。6月に陽性反応を示したジョコビッチ主催の「アドリア・ツアー」出場者に対しては「パンデミックを真剣に受け止めていない」と非難を繰り返していた。
ツアーはヨーロッパ中心としたクレーコートシーズンに突入したが、まだまだ慎重にならざるを得ない状況。無観客での開催も含め、一部選手の欠場はこれからも続き、パンデミック以前のように賑やかなツアーには簡単に戻ることはできないだろう。今後もしばらくは選手の見解や行動は二極化していきそうだ。
文●久見香奈恵
WTA125大会ダブルス優勝、全日本選手権女子ダブルス優勝、混合ダブルス準優勝といった戦績を挙げた元プロテニスプレーヤー。2017年に現役引退後はテニス普及活動や、イベント出演、WEB執筆等を行なっている。