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国内テニス

ニックネーム「シンカンセン」のような勝利!大坂なおみを研ぎ澄ませた、”あのショット” のクオリティの高さ

内田暁

2019.09.21

試合終盤に足を痛めたプチンツェワ(左)。大坂はすぐにタオルと氷を持って駆け寄った。(C)Getty Images

試合終盤に足を痛めたプチンツェワ(左)。大坂はすぐにタオルと氷を持って駆け寄った。(C)Getty Images

 ただそのメルテンスの鋭利なプレーが、大坂の心をも研ぎ澄ます。2、3回戦ではファーストサービスの確率が50%を割り、そこを「絶対に改善が必要な点」と言っていた大坂だが、この試合では「ファーストサービスを入れることに心を砕いたのは、少しの間だけだった」と言う。

 それはメルテンスのリターン力により、「良いサービスを打つことを、半ば、強いられていた」からだった。第1セットのゲームカウント3-3の場面では、センターに時速195キロ、続いてワイドに188キロのエースを打ち込み、客席をどよめかせた。
 4-4からのゲームでも、最後を194キロのエースで締めくくると、サービスでの集中力が全てのプレーを引き上げたかのように、リターンエースを叩きこんだ。

「競った試合の時に、自分に『このポイントを取る!』と言い聞かせることはあるけれど、今日はあまり何も考えていなかった。エースを決めて、そのまま良い状態だった」

 その無心に近い境地のまま、選手仲間から「シンカンセン」のニックネームを与えられる大坂は、一気に勝利まで走り込む。試合時間は、59分。まさに、超特急の勝利だった。

 かくして至った東レPPOの決勝は、彼女にとって昨年に続き、通算3度目の舞台。この日の2試合同様に、「自分のやるべきプレーに徹する」その先に、求める「三度目の正直」が待っているはずだ。

取材・文●内田暁

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