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海外テニス

「テニスが苦痛なこともあった」コロナ禍で翻弄される日本のジュニア選手たち。全仏OP出場で得られた新たな指標とは

内田暁

2020.10.10

急造ペアながら、見事ベスト8進出を果たした松田(左)と長谷川(右)。写真:松田=Getty Images、長谷川=金子拓弥

急造ペアながら、見事ベスト8進出を果たした松田(左)と長谷川(右)。写真:松田=Getty Images、長谷川=金子拓弥

 女子の方では、シングルスの出場は成らなかったものの、長谷川愛依と松田絵理香がダブルスのワイルドカード(主催者推薦枠)を得て出場。久々に組んだ急造ペアではあったが、2試合連続で逆転勝利の勝負強さを発揮し、ベスト8入りを果たした。
 
 高校2年生の長谷川は、今年を「勝負を掛ける年」と見定めていたという。それだけに、国際大会中止の報を聞くたび落胆し、「テニスをするのが苦痛なこともあった」と明かす。

 それでも、コロナ禍で多くの人々が苦しんでいることを知るにつけ、「テニスという頑張れることがある自分は、幸せだなと思った」と言う。今季序盤に思い描いた、「ウインブルドンJr.に予選から出場し、全米では本戦。結果を残してプロ転向を決め、来年はその準備にあてる」という青写真は、幻に終わった。
 
 それでも今は、「来年に向けて頑張ろう」と気持ちを切り替えつつある。

 なお長谷川は日比野菜緒と同郷で、以前は、日比野が通ったテニススクールを拠点としていた。今でも日比野が帰省する年末などは、一緒にボールを打ってもらい、助言ももらっているという。

「菜緒ちゃんの試合や結果は、いつも見て励みにしています」と目を輝かせる長谷川は、「いずれは菜緒ちゃんと同じところでやりたい」と断言することをためらわなかった。

 突如世界を襲ったコロナ禍は、ただでさえ進路に悩む少年・少女たちの視界に濃い霧を落とす。その中で迎えた今大会は、出場した選手たちに、進むべき道を選ぶ根拠や指標を与えそうだ。

文●内田暁

【PHOTO随時更新】世界の舞台で躍動する日本人トップジュニア特集

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